現代の音楽制作の根幹となるDAW
DAWソフトというのが、技術の進歩と価格の低下によりかなり一般的になってきました。
トップクリエイターと同じものを、初心者でも簡単に手に入れて使えるような時代です。
ですが、それを使いこなせるかどうかで作品の質は大きく変わります。
Cubase一筋で10年以上使い続けている私なりに、【超重要】だと思うのが、テンポの設定とグリッドの設定です。
テンポはご存知、楽曲の進行の速度を数値にしたものです。DAWにはこれを設定できる機能が必ずあるので、それをうまく使いこなすことが重要です。
さらにグリッドの設定も重要です。
これは、MIDIノートやオーディオイベントなどを配置するときの基準になる線のことで、これにスナップ(引っ付かせる)ことで規則正しくそれらを配置出来ます。
なぜこのテンポ設定とグリッドの設定が重要なのかを、早速ご説明します!
(ちなみに、Cubaseでのテンポトラックの設定はsleepfreaksさんのサイトが参考になるので、よければそちらをご覧ください。)
1.音楽にとって音が鳴るタイミングはめちゃくちゃシビア
人間の耳というのは、音のタイミングに非常に敏感に察知できるよう作られているそうです。
プロのミュージシャンが、演奏でのタイミングをコントロールするのは10ms(100分の1秒)が目安の最小単位だとも言われます。
いい演奏はタイミングコントロールによって、ノリを表現します。
よってDAWで音楽を作る際も、テンポの設定と、さらに各音の発音タイミングを司るグリッドの設定が、楽曲の最終的な出来に対してとても重要な要素となります。
2.DAWはグリッドに合わせて使用するのが前提
ここでグリッドの設定についてもう少し掘り下げていきましょう。
4/4拍子の曲で、スネアの16分の連打を打ち込むことを考えます。
MIDIノートは、1小節の中で16個収まるように並べなければいけません。
このとき、グリッドの設定を16分音符にすれば、ピタッと全ての音が当てはまります。
ただ、規則正しく16分音符で並べると、スネアの連打はとても機械的に聞こえます。
そんな音を狙う場合はそれでもアリですが、生の人間が叩いた音をシミュレートしようとすると、ちょっとした”揺らぎ”を加えてやることでグッとノリが出ます。
グリッドの設定には、「スウィング」という項目があって、裏の音符をどれだけ遅らせるかを調節できる機能があります。
大げさに「タッカタッカ」とすることもできますが、この場合は少しハネてる、くらいの設定にするとよりリアルさが出ます。
こういった部分を上手に調整することで、DAW上で音を並べたときにクオリティをあげることが出来ます。
3.グリッドの設定は作業効率に大きく影響する
グリッドに沿って作業するのが前提ですが、それは作業効率にも影響します。
例えば、先ほどの16分のスネア連打を打ち込みしたあと、キックの4つ打ちを入れたいとします。
同じ音の連続なので、MIDIのステップ入力を使えば素早く作業が出来ますが、このときグリッド設定を16分音符のままにしておくと、ステップ入力でキックも16分音符で配置されてしまいます。
それに合わせて打ち込んで、後からノートを正しい位置に移動させるのは大きな手間です。
ですので、この際は打ち込む音に合わせてグリッドを4分音符に設定すれば、効率よく作業ができます。
この、グリッド設定の切り替えを素早くできると、作業スピードが大幅に上がります。
私は下記の要領で、グリッド設定の変更をキーボードショートカットにカスタマイズして割り当てています。(※厳密に言うと、下記はクオンタイズ値の指定を割り当てて、グリッド設定はクオンタイズ値に従うようにしています)
- テンキー1 全音符
- テンキー2 二分音符
- テンキー3 四分音符
- テンキー4 八分音符
- テンキー5 16分音符
- テンキー6 32分音符
- テンキー7 付点
- テンキー8 三連
- テンキー9 (感度指定クオンタイズ)
私はこの操作を覚えてしまったので、作業効率を劇的に向上させることができました。この設定をしていない環境だと、だいぶやり辛いのが正直なところです。

まとめ:各種設定を駆使してDAWを使いこなしましょう
DAWの設定や使い方には大事な部分がたくさんありますが、特にこのテンポとグリッドの設定は制作の土台となる部分ですので、是非使いこなしていただきたいです!
ご参考になれば幸いです!
お読みいただきありがとうございました!
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