ギターソロをコピーする
「難しいし、速いし適当に弾いてごまかしちゃえ!」
っていうのが嫌で、「出来るだけ忠実にコピーしたい・・・!」という方へ。
完コピしなければならない、というルールはありませんが、憧れのギタリストの演奏を模倣するのはいい練習です。ギター歴はもう17年を超えているので、相当な数のフレーズをコピーしてきたと思います。
以下、現在の私のやり方を手順化してみました。
弾きたい曲のTAB譜が世の中に出回っていなかったり、既存のものに納得いかない、といった状況の方の参考になれば幸いです。
具体的なコピーの手順(耳コピ)
-曲全体-
[1]曲のテンポ、キー、コード進行を把握する。
(例)bpm160のノリのいい感じ。出だしはFで、サビで同主調転調してA♭になる。ギターソロもサビの調のまま。コード進行は王道のIV-V-III-VIを中心としてサブドミナントマイナーの♭VI7-♭VII7-Iを盛り上げに使っている。
-ソロ部分-
[2]尺を把握する
(例)8小節をひとまとまりとして、それが二回し。ソロの終わりで2小節分はみ出しているので、合計18小節。
[3]全体の流れを大まかにとらえる。
(例)前半の8小節ひと回しでは、ブルースフレーズを中心に哀愁を帯びた感じ。細かい音符は少なく、シンコペーションや2拍3連などでリズムの遊びを作っている。後半10小節では、サビに向かって明るい希望を持つような展開になっている。上昇系の細かいフレーズを多用し、最後は高音のチョーキングビブラートで締める。
-フレーズ単位-
[4]はじまる音と終わりの音を確定させる
(例)ソロのはじまりは5弦6フレットのE♭、ソロ終わりは1弦18フレットの全音チョーキングでC。
[5]アーティキュレーションはまず無視して、シンプルなノートの並びとしてフレーズを把握する
(例)ブルースフレーズでスライドやチョーキングを多用しているけど、それぞれ到達音だけをまず確認する。
[6]リズムと音価を確定させる
(例)8分、16分などをまず正確に把握し、6連符などを拍に当てはめて把握する。
[7]コードスケールを考えながら、音を探す(スケール、アルペジオ、テンション、アプローチノート)
(例)キーがA♭でコードがE♭7だから、E♭のミクソリディアンスケールにあてはめて音をとる。Cm7のときに、フレーズは少し音が飛んでいるようなのでアルペジオのC-E♭-G-B♭を当てはめたらその通りだった。早いパッセージではスケールをなぞっても音の数が合わないので、クロマチックアプローチを入れてみたらぴったり合った。
[8]フレーズの全体をみて、ポジションとアーティキュレーションを確定
(例)ブルースフレーズはチョーキングやスライドで表情をつけやすいローフレット側で処理する。細かい音符は3ノートパーストリングスでさばきたいので、ハイフレット側で弾く。スライドやチョーキングなど、それぞれの着地となる目的の音は判明したので、それに合わせて実際の演奏のニュアンスを再現する。
まとめ
理詰めで考えると、フレーズはこのように分解して考えることができます。それぞれの手順に慣れてくれば、結果としてコピーの速度と正確性があがります。
もちろん、音楽理論に当てはまらないような演奏も世にたくさん出回っているので、最終的には自分の耳を頼りに音を取ることになります。あくまで、「音をとるための方法のひとつ」として捉えるようにするべきでしょう。
ちょっと話は変わりますが、
最近、小型のマルチエフェクターを買いました。
これがなかなかいい買い物だったんですが、
『安い』『音も良い』『小さい』
ということで、深夜の音を出せない時間帯の耳コピなんかで重宝してます。
レビュー動画もあげました。飛ばし見で大丈夫なので、ご興味ある方はぜひご覧ください。
今回もお読みいただきありがとうございました。
ギタリストの皆様の参考になれば幸いです。

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