結論:10割を常に目指すのは危険
早速ですが、「常にベストを尽くす」というのは一見正しそうですが、時として弊害を生むので、7割を目指すくらいを標準として置いた方がいいです。
これは、私がフリーターをしている時に飲食店のキッチンのアルバイトで学んだことです。それを詳しく解説していきます。
10割を目指すよう育てられた私たち
「ベストを尽くしましょう!」
そうです。いつだって我々は全力を出して、ベストを尽くすことを教わってきました。
・テストは100点を取ることが最も素晴らしい。
・クラスの友達とは、全員と仲良くできる方が好ましい。
・ミスをしないことが望ましい
素晴らしいですね。こんなことが本当にできたらどれほど素晴らしいか。
・・・義務教育を終えて、高等教育、4年制大学、大学院まで通った私の経験から、今ではこんなの人間にはほぼ不可能だ、ということが自信を持って言えます。
学生さんでこれを読んでくれていたら、覚えておいて欲しいことがあります。
教師がこんな理想をあなたに押し付けたら、それはあなたを良い方向へ導く為ではなく、教師がラクする為です。
テストでいい点をとり、クラスの友人たちと常にいい関係を保ち、ミスやトラブルのない生徒なんて、教師からしたら全く何もしなくていい楽チンな生徒ですよね。
10割を目指して料理を作っていたアルバイター
私は20代の前半、割と長い期間、飲食店のキッチンでアルバイトをしていました。
揚げ物、丼もの、スープ、パスタ、デザートなど、様々な料理をマニュアルに沿って作り、お客さんに提供していました。
私は完璧を追い求めていました。
味付け、盛り付け、全てが自分のできる最高になるように。
その行為自体は、今でも良いことだと思います。
後輩が育たず辞めていく
しばらくすると、私の後に入るアルバイトも数名いました。
私はオープニングスタッフとして働いていたので、先輩として業務を教える立場になりました。
私は、お店で求められるクオリティを逸脱して、『自分の中の10割』を後輩に指導しました。
自分なりに丁寧に、熱意を持って教えたつもりでした。
でも、長く続く人はあまりいませんでした。
そんな時、店のオーナーに言われた言葉が、私の人生を変えるくらいの衝撃でした。
「教える時、7割くらいの出来を目指してください」
こんな考えをしたことがなかったので、とても衝撃を受けました。
お店とお客さんが求めるもの
働いていた店は、リーズナブルな価格を売りにしていました。
お客さんは、そりゃ美味いものを食べたいですが、最高の料理を望んている訳ではありません。
オーナーとしても、価格に見合った商品(料理)でお客さんに満足してもらえることが、お店を経営する上で大事なことでした。
私が当初やっていたことは、どちらが求めるものよりも逸脱したものです。
それでうまく行けば、結果論としては正しかったかもしれません。
ですが、事実として、後輩たちは長続きせず、辞めていきました。
まとめ
10割を目指すこと、全力を尽くすこと、それ自体は正しいし、ぜひ頑張るべきです。
でもそれが、もし自己満足の為だけだったら、いいことどころか、周囲に影響を与え、不利益の原因となる可能性もあります。
『人生にバランスを持つ』為に、『7割を基準とする』感覚を持つと、周りの人間も、自分の精神も損ねずに何かに取り組めると思います。
固定観念に雁字搦めになって、生きづらいと困っている人に、届いて欲しいと願います。
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