共感したい&してもらいたい欲求をコントロールする
いまでは世の中のありとあらゆる製品、作品、サービスが評価され、誰でもネットで見れるようになりました。
アマゾンやその他の通販はだいたいレビューをみて買うし、映画のレビューサイトにはたくさんの投稿があるし、「〇〇 口コミ」で検索すれば、大抵のサービスはその評判が表示されます。
私達がそんなレビューを見るときは、大きく2つのパターンに別れます。1つは、まだ購入したり利用したり鑑賞したりしていないものについて、予めどんなものか事前に調べるケース。もうひとつは、すでに自分で利用したものについて、他の人がどのような感想を持っているのかを確認するケースです。
ここでオススメなのは、後者の「事後の確認」でレビューを見るとき、積極的に「自分とは違う意見」を見るようにすることです。これを意識すると、無駄に他人の意見に振り回されることなく、自分を大切にする気持ちが強くなり、精神的にタフになれます。
例えば、ある映画をみて、自分が70点くらいの感想を持ったとします。ストーリーはよかったけど、役者の演技がイマイチでもったいなかった・・・みたいな感想だったとします。そして映画のレビューサイトを見ると、いろんな人がいろんなことを書いています。ここで、自分と同じように、全体的に70点で、ストーリーはよし、役者もっと頑張れ、的なコメントをみると、そこで共感が生まれ安心してしまいます。共感すること自体が悪いことではないのですが、自分の意見が人と同じ、即ち「自分の意見が他人に認められた」と思って安心してしまうことが危険です。なぜなら、もし仮に、その映画のレビューの大半が「ストーリーはありきたりで退屈、役者は素朴で感情移入できた」というものだとしたら、共感を前提にレビューを見てしまうと、「自分の意見が間違っている」と思ってしまいかねないからです。
世の中で、決まりきった答えのないものにおいて(大抵のものはそうですが)、人がそれについてどう感じ、どう思うかは完全に個人の自由です。ときにはそれが人と共感でき、ときにはそれが人と違ってくることもあるでしょう。しかしそれは、私達がそれぞれ個性を持って独立して思考する人間だからこそ、当たり前のことです。それを受け入れられないと、常に他人の評価や顔色を伺い、人と同じ考えや行動をしないと不安になってしまうような、自信のない人間性が育ってしまいます。
私達は、社会の中で、人と協調性をもって生きていくために、あまりに強く我を通すことは難しい状況にいます。そんな中でも、しっかりと自分の考えを認め、他人との共感に依存しない心を育てることが、自信のある人になるための基本的なスタンスです。これに意識して取り組むために、普段何気なくみているレビューサイトなどを、ぜひ「自分と違った意見を見つけて、それも認める」というスタンスで見ていってみることをオススメします。
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