「和を乱さずに染まらない」

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二重人格も二枚舌も「人間あるある」

人は周囲の環境にものすごく影響を受ける生き物です。何かを達成したいと思ったとき、意志力がどれほど無力なものかというのは、新年の目標を立てて2月か3月にはすっかりそれを忘れているという経験を幾度となくしてきた大人なら、痛感していることでしょう。逆に、人間関係や居場所が変われば自分の生活スタイルがガラリと変わり、今までできなかったことが自然に出来るようになることも、何度か経験してきているはずです。

そうは言っても、環境を変えるというのはなかなか難しいことです。学校は入学から卒業まで、そう簡単に転入や編入ができるものでもありません。転職だってかなりの労力がいります。では、今いる環境の中で、今の自分を変えたいと思ったときに、実行可能な戦略はないのでしょうか?

一つの答えとして、あまりに正直で真面目な人にこそ有効な手段があります。それは、周囲に合わせる自分と、抜け駆けする自分を、明確に分けることです。

周りに気を使い、人に合わせるのが得意だということは大変素晴らしいことですが、一方で周囲の影響に染まりやすいという面もあります。私も、学校時代の友達関係はなるべく協調性をもとうとして、自分の意見を抑えることが多く、本当に思っていることややりたいことを我慢するシーンもありました。

でもそれは、誰かと一緒にいるタイミングだけで問題ないはずです。「授業だりーな」「そうだなー」というのはその場でみんなで盛り上がり、家に帰ったら切り替えて「よっしゃ予習復習やりますか」とすればいいんです。「マック食いいこーぜー」「いーよー」と言いながら、友達と一緒じゃない日は野菜と蛋白質中心のなるべく自然な健康的な食事をしていればOKです。友達とのノリに引きずられて、家に帰ってもスマホのゲームやったり、ジャンクフードを食べたりするのを辞めればOK。そこで「友達の前での自分」と「家での自分」とのギャップに苦しむかもしれません。しかし、そんな二重人格や二枚舌な態度は決して悪いことではないと思っています。人はだれだって、自分の中にいろいろな考えを持ち、気分によって意思が変わることは普通のことです。自分の中で一貫性を保ちたいと思う心理的なバイアスが働きますが、世の中はそう単純ではないし、その一貫性は往々にして自己満足のためだけに欲する感情だったりします。

巷では「人間関係は選べ」とか「嫌な人からは逃げればいい」みたいな話が多く出回っています。これには反論の余地はないし、それが理想であることは疑いようのないことです。ですが現実、そんなにかんたんに人付き合いを選べる状況ばかりではないし、自分の求める完璧な人間がいるはずもなく、「あいつのこの部分は好きだけどこの部分はちょっとなぁ」みたいな状態が普通です。なので、人に合わせる部分は合わせて、染まらない部分は染まらないというような、あえて「自分の中の一貫性」を崩すような態度もアリだと思っています。人間関係でストレスを感じることなく、自分に納得して日々を過ごしていきたいと思う方へ、何か参考になれば幸いです。

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