怒ることは自分にとって損
「怒り」は基本的にネガティブな感情です。
相手から怒られると嫌な気分になるし、自分が誰かに対して怒るときも、自分の中にマイナスな感情が芽生えているときです。そうだとしても、「自然に発生する感情だから仕方がない」と思うかもしれません。あるいは、時には怒ったり怒られたりするコミュニケーションも必要だと考えることもあるでしょう。
しかし、やはりできれば「怒り」という感情は、それを出してしまうとデメリットが大きいです。今回ピックアップするデメリットは、
- 冷静さを失う
- 「勝ち」「負け」しか道がなくなる
- 相手が言うことを聞かなくなる
の、3つです。これを一つずつ解説してきます。
冷静さを失う
怒りに見を任せると、冷静でいられなくなります。
これは当たり前ですが、「冷静になれない」というのは人間にとってとても危ない状態です。例えば、相手が言っていることの意味を勘違いしてしまったり、合理的な判断ができなくて損をしてしまったりなど、本来避けられるべき失敗や損失に遭遇する確率が高くなります。冷静でいることは常に自分にとって良い状態ですし、逆にそれがないと人は失敗や損失の可能性を高めてしまいます。
「勝ち」か「負け(逃げ)」しか道がなくなる
怒りの感情に見を任せると、相手とのやり取りにおいて、その結末は「勝つ」か「負ける(逃げる)」の2択しかなくなってしまいます。
対人関係の基本は「勝つ」か「負ける」かではありません。利害の調整です。双方に利益が出る状態(win-win)か、お互いが納得いくように損失を負担し合う状態を見つけるのが大切です。ここで「勝つ」「負ける」の関係性は、基本的に発展性がなく、買った側にとっても長期的なメリットがありません。
「相手に対して怒る」という態度は、相手が謝罪したりして負けを認める(自分が勝つ)か、相手の反論に負けて怒りを鎮める(自分が負ける)のどちらかに落ち着きます。これは良好な対人関係を築く上で、いずれにしても自分にとって損な結末となってしまいます。
相手は言うことを聞いてくれなくなる
自分が怒るということは、自分の主義主張を相手に認めさせたり、相手の意志や態度や行動を変容させるのが目的になります。
しかし、「怒り」という強い感情を前にすると、人は基本的に硬直します。「怒り」を向けてくる人の発言の意図や内容よりも、自分に向いた強い負の感情を解消することを第一の目的としてしまうので、「ひたすら謝る」ことをしたり「逆に反論する」といった行動を取ることになりがちです。こうなってしまった相手には、自分の言うことを聞いてもらうことが極端に難しくなります。
まとめ
怒りの感情は自然なものですが、それを対人関係で全面に出すと、自分にとってデメリットになることが多いことを解説いたしました。
では怒りは我慢すればいいのか、というと、それもまた違います。自分の感情に蓋をしてもいいことはないので、「怒り」を感じたら、それとうまく付き合う方法を考えるべきです。もっと良いのは、そもそも「怒り」を感じなくなることです。これは考え方次第でそれほど特殊なことではないのですが、この内容についても折りを見て解説できたらと思います。
対人関係でうまくいかないようなとき、こちらの内容を参考にしていただければ幸いです。
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