病気にかかるのは誰の責任か

My Voice

やってしまいがちな「自分or他者」というバイナリ思考

誰もが日々健康でいたいと思うものです。ですが、一般的な風邪から、季節性のインフルエンザや、ガンなどの重い病気まで、人間は死ぬまで常に病気にかかる可能性を持っていきています。コロナだって、私達が避けたい病気の一種類であり、誰にでも感染、発症するリスクはあります。それに対してどう考え、どう付き合うかも重要です。

では病気について考えるとき、まず「どうやったら病気にならないか」、そして次の段階として「もしなってしまったらどうするか」という順番に考えていくと思います。このうち「どうやったら病気にかからないか」ということについて、私達は様々な考え方と対処法があって、それを選んでいるはずです。

私は専門家ではないので、あくまで一般的な知識に基づいてしか話ができませんが、それでも多くの人に共通して認識していることとして「健康的な生活習慣」と「衛生管理」が、病気を未然に防ぐ手段であることは間違いないと思います。

「健康的な生活習慣」をしていれば、本来人間には免疫機能があるので、ウィルス性の病気や体の疾患に対してある程度対抗できるはずです。「衛生管理」をしていれば、病気の原因となるものが自分の体に入るのをある程度防げるはずです。

ポイントはこの「ある程度」という部分で、確率的に考えて100%の効果というのは現実的ではありません。どんなに健康的な人でも病気にかかるときはかかるし、逆に不健康かつ不衛生でも病気にかからない人だっています。

そうなったときに、では「病気にかかるのは誰のせいか」ということを考えると、「かかった人のせい」とも言い切れないし、「病気にさせた他者のせい」とも言えません。

ところが、多くの人の心理ではその結論がでず、ついつい「自己責任論」として「かかった人が悪い」というふうに考えがちです。これは、心理学で言う「公正世界仮説」でも説明ができ、つまり「この世界は公正であり、善い行いをする人は報われる」と考えたときの別の側面として「悪いことが起こるのは、その人になにか落ち度があるからだ」と無意識に認識してしまうことだとも言えます。先述のように、どんなに気をつけても病気になる人はいるし、逆にどんなに健康意識が低い日常を過ごしても病気にならない人だっています。

病気は誰だって避けたいものです。そして病気にかかったら、可能な限り回復したい。そのために、政治家や行政や医療関係者やインフラなど、大勢の方々が尽力してくださっているので、一般の人たちは高い水準で健康的な生活を送れています。ただし人間のやることに完璧はないし、病気は常に確率的に発生するものなので、特定の「悪者探し」をすること自体はナンセンスです。まず、自分がどんな生活を送るかをある程度選べる以上は「病気にかかりにくい健康かつ衛生的な生活」をできる限り心がけるべきだし、人が病気になった場合は「一定確率の不運である」という認識を持って接するべきです。世の中の問題は「悪者を見つけて攻撃する」ことで解決するものではない、ということは、人類の歴史の中で何度も悲しい出来事があって、それを証明しています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました