溢れる情報と向き合い自分のアタマで考えられる大人になるために
正しい情報とは何でしょうか?賢い選択とはなんでしょうか?
試しに、いまあなたが普段接しているメディアを一切断絶して、他のメディアからの情報収集をしてみてください。例えば普段みているニュース番組とは別の番組にするとか、全然聞いたことないラジオのチャンネルを聞いてみるとか、全く新しいSNSアカウントを作って全く違う分野の人達をフォローするとかです。そこには、同じ事柄について全然違った切り口で違った意見が展開されていたりします。こうなったときに、「何が正しいか」を自分で判断できない状態を、メディアリテラシーが欠けていると表現します。
これからはもっとこの流れは加速していくと予想されています。多くの情報と様々な人の意見が入り乱れるなかで、自分がよく知らないことまである程度は自分の頭で判断できるようになる必要があります。もしそれができないようだと、声が大きかったり、多くの人に支持されているというだけの一部の人間の言うことしか聞くことができず、よくも悪くもそういった人たちの都合のいいように生きるほかなくなります。
こうした時代で主体的に生きること。つまり自分の意志や身体の自由を誰かに奪われないように護るために学ぶべきことが、「哲学」と「行動経済学」です。
「哲学」は私も勉強中ですが、その領域が広範囲かつ曖昧なのでなんとなくとっつきにくいものなのは間違いありません。しかし「哲学」が教えてくれるのは、そもそもの「考え方」の方法です。学校では四則演算や漢字や文法を教えてくれますが、考え方そのものについては教わる機会がありません。しかしこの「考え方」も歴史をたどって丁寧に理解していかないと不十分であり、そのために人類の歴史と合わせてある程度しっかりと哲学を学ぶ意義があります。
また、「行動経済学」について、私は大学の授業で必修の単位をとりましたが、これは在学中にも面白いと思ったのを覚えています。また今でもマーケティングなどを含めて改めて勉強していますが、ここには「人の意思決定と行動」の特徴を研究した蓄積があります。私達がセール品で余計なものを買ってしまう理由、お店がやたらとポイントカードを作る理由、広告の文言に使われるテクニック、投資やギャンブルで大半の人が負ける理由などなど、知っておくと役に立つ実践的な学びが多いのが特徴です。私達は働いてお金を稼いでいますが、この世の中には、その財布のお金を狙って(もちろん通常は合法的に)あの手この手でお金を使わせようとする人がたくさんいる事実に気付くはずです。
現代は、過去に比べてとても便利で安全な世の中です。猛獣に襲われたり飢餓に苦しむ心配はほぼほぼないでしょう。事故や疾病などのリスクはありますが、これも選択や行動によってかなりの低い確率に抑えることができます。そんな中で懸念すべき大きなリスクは、広い意味で「人に操られる」ことです。自分のアタマで考えずに意思決定をすることにより、将来的に不本意な選択をするハメになったり、お金や時間を不本意なことに費やす恐れがあります。そんな世界で、私達が自己責任で自分の身を護る知恵として、なるべく早くから「哲学」と「行動経済学」を学んでおく必要性を感じています。
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