トラブル回避のための経験則
自作PCでDTMをやろうとするならば、原則としてすべてのトラブルに自分で対処しなければいけません。自作PCを組むこと自体はそれほど難しいことではないですし、DTMもいまはソフトの使い勝手がよくなり情報も増えているので入門のハードルは下がりました。しかし、それでもなおDAWソフトを扱う上では予期せぬトラブルがつきもので、また自作PCともなると人それぞれ使用環境が異なるので、それにはコツコツと対処していかなければなりません。
今回は、2012年から自作PCでDTMを探求してきた経験から、原則としてやっておいたほうがいいことをまとめました。
SATAとUSBの接続先は変えない
まず、基本的に守っているのが「SATAやUSBの接続先は変えない」ことです。これは例えば、マザーボードとSSDなどのストレージを接続する際、一度接続して使用してある状態のSATAポートは原則として変更しないということです。ストレージの増設などは組み上げてからもよくやることですが、その際は必ずマザーボードのSATAのポートとストレージデバイスの対応は変更しないようにしています。
また、USBデバイスも同様の注意を行っています。主にオーディオインターフェースなど常時接続するデバイスは、マザーボードのバックパネルのUSBポートを使っていますが、使用するポートは原則として変えません。
これらは、変えても問題なく動作するケースもあります。しかし、ポートの接続先が変わることによるトラブルというのもそれほど珍しいものではありません。私はPCとデバイスに目印のシールを貼ったり、マザーボードのマニュアルのPDFにメモ書きを記述したりして、どのポートにどのデバイスを接続するかを変えないようにしています。ちょっと手間はかかりますが、トラブルを回避するための「おまじない」として守っています。
DTM以外のソフトをインストールしない
自作PCでトラブルが起きたときは、その原因を突き止める作業が必要になります。原因を突き止めるには、そのパソコンに対して自分がどのようなことを行ったかを洗い出し、原因となりそうなものを推定して対処していくというのが基本的な流れです。
その際、パソコンに加えた変更が多ければ多いほど、その原因の特定が困難になります。なので、DTM用のパソコンには、原則としてDTMや関連する作業以外のソフト(アプリケーション)をインストールしないようにしています。
私の業務用のPCは、DAWと、プラグインと、webブラウザと、デバイスドライバと、セキュリティソフトくらいしか入れていません。オフィス関連は別のPCだし、ゲームや動画編集も別のPCです。何かソフトウェアに起因するトラブルというのは多いもので、ごちゃごちゃと余計なソフトが入っていればその分トラブル対処が面倒になります。
OSのクリーンインストールの準備をしておく
予期せぬ不具合において、手詰まりとなったときの最後の対応は、OSのクリーンインストールです。
これはなかなか勇気がいることかもしれませんが、逆に自作PCユーザーならば、自分でイチからセットアップできることが強みでもあります。いざとなったら初期化してまた設定しなおせばいいと思うと、いろいろなトラブルにも気持ちを大きくして対処できます。
ただし、クリーンインストールをして原状復帰するためには相応の準備が必要です。前述のデバイスの接続先を記録しておくことや、インストールしたソフトの記録なども残しておくと、後で復元作業するときにラクになります。また、大切なプロジェクトデータや、ダウンロードするのに時間がかかる大容量サンプルなども、別途外付けHDDなどに移せる準備をしておくと、いざというときの対応もスムーズです。
まとめ
私はDTMでは自作PC派です。トラブル対応がすべて自己責任なので大変ではありますが、パーツ構成を選んだりできる自由度の高さが魅力です。何台か組んできましたがどれも愛着のわくマシンになりました。自作派のみなさんのDTMライフを応援しております。
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