そのテの話題でマジレスしたら嫌な顔された
占いってすごいですよね。なんか、本当に自分のことを見透かされたような気になってしまいます。もう有史以前から星座占いやら血液型占いやら、果ては動物占いなんてのも流行ったのを覚えています。小学生の頃のピュアな私は毎朝のニュース番組の占いコーナーを真剣にチェックしてから学校に行っていました。
それがだんだんと、いろんなメディアに触れていくについれ、私は非科学的なことを信じない正確になっていきました。高校のころ、「今年は大殺界だから云々・・・」と本気で神妙そうにしてた後輩を心底気の毒に思ったし、大学でも「血液型占いがほんとに当たってて衝撃だった・・・!」って話てる友達に何も声をかけられませんでした。もちろん、厄年とかそこらへんの話についても、そもそも興味がなく、「それが正しい前提で」真剣にその話をしてくる人にどう対応したらいいか戸惑ったこともあります。
ただ、占いの類いを信じるか信じないかは、個人の意思決定の範囲内なら人それぞれ自由だと思っています。ただそれに巻き込まれるのはちょっと勘弁してもらいたい、というスタンスです(占いでこうだから君もこうしろ、的な。それはちょっと無理です。)。
ここからは、占いの種明かしの話です。あんまり気をよくしない方は読まないでいただければと思います。
占いの類の基本は、雰囲気作りと「バーナム効果」です。雰囲気作りはその言葉とおり、スピリチュアルな格好をした人が、なにか神秘的な空間を演出したり、勿体つけた喋り方をしたりすることです(文章だけでもそれは可能)。これに「バーナム効果」が合わさると、人は占いを信じやすくなります。「バーナム効果」は、
誰にでも該当するような曖昧で一般的な性格をあらわす記述を、自分、もしくは自分が属する特定の特徴をもつ集団だけに当てはまる性格だと捉えてしまう心理学の現象。
Wikipediaより
という意味の用語です。例えば「あなたはわりと柔軟な性格をしているけど、自分の好きなことに関してはこだわりが強い方だ」なんて言われたとしても、これってけっこう誰にでも当てはまることだったりします。なんか、それっぽい雰囲気の人に、しかも初対面で、こんなことをパッと言われたら、さも自分のことを言い当てる特殊な力があるんじゃないか・・・と思ってしまうものです。
とは言え、こんな占い程度のことは、信じようが信じまいが大した意味はないでしょう。それよりも重要なのは、普段の人とのコミュニケーションやメディアからの情報も、このバーナム効果の影響を知らずに受けていることです。例えば広告で、「この商品はこんなあなたにピッタリ!」なんて言われたら、さも特別な自分に必要なものと思って「欲しい」という気持ちが強くなることでしょう(実際に「こんなあなた」はあなた以外にもたくさんいます)。人は、自分のことをよく知っていると思ってるし、自分の考えていることは「唯一自分だけが持ち合わせている思想」と思ってしまいがちです。たとえ身近にいなくても、自分と同じような思考をする人は世の中には大勢います。そうやって世の中を見れるようになると、本当に「自分らしいこと」が見えてきて、他人に振り回されない生き方に近づいて行きます。
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