大礼必簡大楽必易
転調とは、曲の「調(ちょう)」が途中で変わることです。調とは、ざっくりと言えば音の並びの順序のことです。一般的に音楽は、特定の調に従って作られますが、曲の途中でそれが変わると「はっ!」とする印象が出ます。
(ちなみに、テンポが変わることを「転調」と間違えるケースが多いのは、過去の記事に書きました)
作曲や編曲をするとき、転調を意図的にするためには、ある程度の音楽理論の知識と、それを活かすテクニックやアイデアが必要です。昨今様々な名曲で素晴らしい転調を使った例を聞くことができ、それの解説も多く出回っています。
では、転調することは必ず素晴らしいのでしょうか?うまい転調を使った方がいい曲なんでしょうか?
なぜ調を変えるのか
転調をうまく使った曲はよく注目されます。でもそれは決して「転調することが目的」なのではなく、あくまで「表現の一つの手段」として効果的に転調を使っているに過ぎません。
転調すればいいと思って、無理やり曲の中に転調を含めようとすると、それは技術的な面よりも音楽的な「不自然さ」が際立つ結果になりかねません。
転調をしない名曲だっていくらでもあります。曲を作る人にとっては、「転調することが目的」になってしまわないよう注意しなければいけません。
まとめ
転調は効果的に使えば曲の魅力を引き立たせる反面、無理やり使えば不自然さを強調させます。転調をしなくても魅力的な曲を作ることは可能です。とは言え、演奏や制作する音楽家にとって、曲を作りながら「ハマる転調」を見つけたり、アドリブ演奏で曲の転調を見事に捌けたときの気持ちよさがあるのは事実です。音楽本来の目的を失わずに、音楽理論や転調について理解を深めていくことが大切です。
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