水平展開とは
今持っている知識や技術、ノウハウなどの資産を、今までとは違う場所で活用することです。
IT系の仕事の人や、エンジニアさんなどがよく使うのを耳にします。
例えば、ドアのセキュリティに開発した顔認証システムを、スマホのロック解除に使う、なども当てはまります。
いちいち新しい技術を開発する必要がなく、一度つくりあげたノウハウをまた活用するので、とても効率がいいですよね。
これまでの積み重ねを利用する
ミュージシャンは、音を出すことを始めてから、練習をしたり、コンサートをしたり、曲を作ったり、様々な積み重ねをしていきます。
歌や楽器の習得には、あるレベルに達するまで多くの時間と工夫が必要です。
その積み重ねを、発想を転換して、他のことを習得するのに応用する。
これが、特に音楽をやっている人にオススメしたい、水平展開の活用法になります。
『水平展開』の具体例
ギターをある程度まで弾けるようになった人の例です。
ギター以外は、ほとんど楽器はできません。ピアノは片手のみならゆっくり弾ける、カラオケは人並みに歌える程度、だとしましょう。
ギターの習得には、まず楽器としての音の出し方を覚えます。
ピックを正しく持ち、指板を押さえる場所を覚え、ピックでどのように弦を捉えるかを反復して学びます。
リードフレーズやメロディを弾けるように、様々な音階(スケール)を覚えます。
伴奏やメロディに応用するため、コードフォーム、アルペジオを覚えます。
演奏するジャンルに合わせたリズムパターンを覚えます。ロックならエイトビート、ジャズならスウィング、メタルなら16ビート、ブルースならシャッフル、といった具合です。それぞれ特有の弾き方があります。
バンドで演奏する時は、ドラムのテンポに合わせて弾けるよう、弾くタイミングを調整する練習が必要になります。
慣れてきたら決まったフレーズを覚えて弾けるようになります。
音楽理論も勉強します。コードとメロディの関係性がわかるようになります。
上級者になれば、それらを駆使して自由に即興演奏(アドリブ)ができるようになります。
ここまでやった人なら!
この一連の積み重ねを、『水平展開』することで、他のことも爆速で上達します!
この人が新しく、キーボードを練習するとしましょう。
鍵盤の押さえ方で音の出し方を学び、正しい姿勢と運指を学びます。
ギターで覚えたスケールを、今度は鍵盤でも弾けるように覚えます。
コードもアルペジオも、ギターと音は同じですが、キーボードでの弾き方を覚えます。
ジャンルに合わせた演奏方法も覚えます。特にキーボードは音色選びが重要になります。
もちろんアンサンブルのために、人のテンポに自在に合わせられるよう練習が必要です。
決まったフレーズを弾ける→理論を習得する→これらを駆使してアドリブができるようになる。
と、いった具合です。
ギターであるレベルまで上達するために、必要な過程と項目を一度習得するならば、
それをトレースするかのように、似た要素をもつ他の楽器に応用できてしまいます。
水平展開する条件

まず、水平展開する元となるものがしっかりしている必要があります。
上の例なら、ギターをあるレベルまで、正しい道のりで上達していることが不可欠です。
さらに水平展開先が、似た要素を持っていることが重要です。
ギターを習得した過程を活かして、魚料理のプロ級のスキルを身に着ける、というのはちょっと無理がありそうです。
他の例だとよくあるのが、まず英語を習得したら、他のヨーロッパ圏の言語も習得しやすくなる、などが挙げられます。
新年の新しいチャレンジを考えている方へ
「マスター」「プロ級」とまで行かなくても、これまで少しでも積み上げてきたものがあれば、それを『水平展開』して新しいことを始めて見ませんか?少し効率よく、新しい視点で物事を見れるようになると思います。
今まで得た知識の、【共通点】と【相違点】を認識することは、新しい物事の理解を早めることに繋がるので、オススメすると共にわたしも忘れないようにしたいと思います。
新年を迎え、新たな気持ちで、今年も頑張っていきましょう!
最後までお読みいただきありがとうございました。
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