「邦題」に騙される危険性

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原題とかけ離れて意味が飛躍し放題になっている「邦題」

邦題とは、日本以外の映画や本などの作品について、そのタイトルを日本語につけ直したものです。一方で、その作品のもとの言語でのタイトルを原題と言います。例えば、「アナと雪の女王」の原題は「Frozen」、「星の王子さま」は「Le Petit Prince」です。

私達は大抵、海外の作品の名前は「邦題」で認識します。日本語のタイトルに直したほうが、一般的には私達日本人にとって認知しやすいでしょう。しかしこれが、原題の意味とはかなりかけ離れてる場合が多く、それをそのまま受け取ってしまうと、内容を誤解したり、邦題によて新たに付け加えられた印象を受けたりします。これはいい面と悪い面が両方ありますが、その悪い面をしっておかないと、作品に対する評価を歪めてしまったり、先入観を持ってしまったりします。

まず私が最も衝撃を受けた邦題が、ビートルズの名曲「A Hard Day’s Night」の邦題です。

「ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!」

原題のニュアンスはかんたんで、とある大変な一日の夜ということです。歌詞の内容も平易な英語でそれを歌ってるのでよくわかります。そしてなぜこの邦題?意味も全く違うし、掛け声っぽい言葉を並べるセンスも(少なくても私が物心ついて以降の時代感覚では)あまりにもダサいです。実際この曲をこの邦題で言う人に合ったことがありませんし、普及していないのはさもありなんといったところでしょう。

The Beatles – A Hard Day's Night

また、私が最近読んだ本に「ヤル気の科学 行動経済学が教える成功の秘訣」という本があります。これは洋書の日本語訳版で、原題は「Carrots and Sticks: Unlock the Power of Incentives to Get Things Done」で、意味としては『アメと鞭:物事を成し遂げるためのインセンティブの力を解き放つ』となります。内容としては、「ヤル気の科学」とくくってしまうと少し大げさだな、という印象があります。それよりも、原題のような「アメと鞭」すなわち何かを達成するために自分を律するところ、甘やかすところのバランスについて様々な研究や事例をもとにした解説にウェイトが置かれているので、邦題の内容を期待すると肩透かしを食うことになってしまいます。

こうした海外の映画や音楽や本などの作品は、基本的には日本語に直してくれないと私達は読むことができませんので、タイトルの付け直し自体はありがたいことではあります。しかし、その目的があまりにも「タイトルで釣って売る」方に流れてしまうと、本来の内容から離れたタイトルがつけられて、それを目当てにコンテンツを求めると、そのギャップにがっかりしてしまう恐れもあります。海外の作品について、邦題に違和感を感じたら、原題とその意味を調べると、より発見があったり、作品に対する理解が深まるので、ぜひ手間を惜しまずちょろっと一発ググってみてください。

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