無限大イマジネーション
問題を解決するのは想像力です。クリエイティブな仕事というと、イラストやシナリオ、音楽や映像などがイメージしやすいですが、どんな場面でも未知の問題を解決するには新しい発想を生み出すことがカギになります。
でもそう簡単にいいアイデアは出てきません。頭をこねくり回しても、なかなかいいアイデアが出てこないと、時間や労力を無駄にしているような感じがして、フラストレーションが溜まってしまいます。なので、問題解決に匙を投げたり、妥協案的なものを採用するしかなかったりすることも多いと思います。このように、いいアイデアがほしいと思っても、なかなかそれが難しいのが実情です。
しかし、子供の頃はもっと柔軟な発想ができていたのではないか?大人になって、知識や経験は増えたはずなのに、頭が固くなってしまっているのではないか?そんな疑問が湧いてきます。
小さな自慢ですが、私は小学校低学年くらいで作った短い物語が評価されて、その区が発行する文集に学校の代表みたいな感じで掲載されたことがあります(一回だけ)。それは、二匹のワニが描かれた4パターンの線画イラストが与えられ、そのイラストの前後関係を自由に決めて、物語を創作するという課題で創作したものでした。私はワニの色分けを3パターンに分けて物語中に3匹のワニを登場させ、4コマの中で出てくる登場人物(ワニ)が入れ替わる話を作りました。ワニの名前は「ワニンドン」「ワニツィン」「ワニパチ」だったと思います(おそらくクリントン、エリツィン、わたパチがモチーフ)。今思い返しても、わーさー少年はグッドなイマジネーションを発揮していたじゃぁないかと感心してしまいます。
この例で言えば、当時のわーさー少年には、「2匹のワニの絵=登場するワニは2匹」という固定観念がなく、柔軟な発想ができていました。さらにワニのネーミングも、当時テレビで聞いただけであろう外国の元首の名前や駄菓子の名前をもじっています。このように、知識や経験が少ないからこそ、凝り固まった考え方のフレームをもたずに自由に想像力を働かせられていたんだと思います。
よく音楽の世界では「曲が降ってくる」なんていう表現があります。もちろんこれは比喩であって、近代的な音楽の形式が確立されてからは、作曲という作業は自分がいままで聞いてきた音楽や音の再構築に過ぎません。想像やアイデアも、自分の中に今まで溜め込んだものからしか出てこないと言えます。だからこそ「インプットが重要」とはよく言われることですが、そうやって積み上げていった知識や経験が、逆に考え方を固定してしまう危険性にも気をつけなければいけません。そもそも、私達の頭は並のコンピュータよりも遥かに多くの情報を処理しています。それらの組み合わせによって生まれるイマジネーションは無限大にも匹敵します。私も小学生のときの自分に負けないよう、アタマを柔らかくして音楽に向き合っていきたいと思います。
(ちなみにこちらは、私が作ったお話ではありません。)
コメント