DIYのコスト

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完全自給自足は可能か

私はDIY大好き人間です。料理は自炊が好きだし、IKEAの家具の組み立ては朝飯前だし、ギターのケーブルやエフェクターも自分でパーツを揃えて作るし、パソコンも自作だし、音楽を作る仕事してるし、とにかく「自分で作ってる感」に喜びを感じる生き物です。

でもこれは結構危険です。なぜなら、DIYはお金がかからず経済的なように見えて、手間や労力や時間といった目に見えない貴重なコストを払う必要があるからです。

話をわかりやすくするため、極端な例を考えます。もう本当にお金をかけないで身の回りのことを済ますなら、まず農作物を自分で作ります。食材はもちろん調味料も自分で作ればタダですが、現代の普通の食事の環境を自力で揃えるのに一体どれだけの労力がかかるのでしょうか?他にも、家を自分で立てたり、服を自分で仕立てたりすれば、まぁほぼほぼ金額的なコストはゼロに近づきます。しかし到底そんなことをしていたら身がもたないのは明らかです。

こう考えると、私達はどうしたって、だれかがやってくれたことのおかげで今の生活が成り立っていることがあります。農家は農家、大工は大工、本当に様々な人が集中して何かを行ってくれていて、それをシェアしてくれるからこそ便利で安心安全な社会ができています。

私は、仕事とお金の本質はここにあると思っています。誰かの役に立って価値を生み出すのが仕事であり、お金はその価値の交換の手段です。なので、自分が集中して取り組むことによって世の中の他の誰かの役に立つこと(仕事)をし、お金を介して多くの人がそれを交換することで、より効率よく私達は生活できます。

そこに、DIYの持つ危険性が見えてきます。「自分でやったほうがお金がかからない」というのは、お金のかわりに自分の手間や時間や労力を支払っています。それが、人にやってもらうときに支払う対価としてのお金と比較して割安なのか、割高なのかをよくよく冷静に判断することが大事です。特に私みたいな人間は、DIYすることが自分の喜びみたいな側面もあります。それは、お金以上に大きいコストを支払って得る贅沢とも言えるでしょう。

最近はよく、身の回りのものが本当に多くの人の力によって成り立っていることを実感します。だからこそ、人の力を借りることを嫌がらず、また自分が誰かのためにできることを一生懸命やることが大切だと、忘れないようにしたいと思っています。

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