実は身近にある宗教や洗脳
宗教って聞くと、私達日本人はたいてい「怪しい」とか「怖い」とかいう印象を持つ傾向があります。
さらに洗脳なんて本当に怖いもので、それで人生が壊れてしまうような想像をしてしまいます。
ですが、そんな「宗教」や「洗脳」って、考えようによっては私達がすでに染まっているものでもあります。誰しも、「どこに入信した覚えもない」「洗脳なんかされずにまともに生きてる」と思いがちですが、それこそが思考の罠です。
そもそも、いま自分たちが持っている考えの土台となるものは何でしょうか?年上は敬うとか、レディーファーストとか、男の二股はけしからんとか。ある程度の共通認識を持っていないと私達は他人と協力してこの社会を生きていくことができないので、このような考え方の土台が共通していることはある程度必要です。しかしこれもまた、国や文化が違えば土台となる考え方が根本的に違ったりもします。つまり、私達はこのような考え方を、広い意味で洗脳されてこれまで育ってきたと言えます。
その洗脳ですが、私達に影響力の大きいものとして3つ挙げることができます。それは、「親」「学校」「メディア」です。
まず親の影響と洗脳は絶大です。子供はまず自分の親が世の理のすべてになります。親の言葉、考え方、習慣を子供は基本的に真似をします。自分の家では当たり前だと思っていたことが、学校にいくとみんなちがって恥ずかしい・・・なんて思いをするのもこれが原因です。
次に学校です。学校はとても長い時間を他人との共同生活に費やします。そこでは先生の話すこと、示すルールに従うよう洗脳されます。そうしないと学校という閉鎖された空間で居続けることが困難だからです。そこで、自分の家庭内の考え方や習慣と、まわりの同年代の子供達の考え方や習慣がコンフリクトをおこします。洗脳と洗脳がせめぎ合う中で、自分で折衷案を見つけたり、親や学校に反発したりすることもあるでしょう。
さらに、あまり意識せずに多くの洗脳を受けるのがテレビなどのメディアです。特に大手メディアはその権威性が絶大で、大抵の人はテレビで言っていることを疑うことはありません。テレビで誰かが犯罪者とされれば、(たとえそれが真実でなくても)多くの人はその人を犯罪者と認識します。テレビでバッシングをされる芸能人がいれば、多くのひともその芸能人は社会的にバッシングしていい対象だと認識します。テレビのバラエティで芸人が誰かをいじる笑いをとれば、そういった「いじり」は面白いからやってもいい、と思って真似します。例を挙げればキリがありませんが、こうした価値観を植え付けることは洗脳と呼ばずなんと呼ぶのでしょうか?
今はネット社会になり、多くの情報が溢れています。嘘の情報が多いと言われることもありますが、その認識はちょっと違っていて、以前はメディアが限られていたため「嘘の情報を嘘だと指摘できない」時代だったと言えます。こんな状態だと何が正しくて、自分の意見をどうやってもったらいいか悩んでしまうものです。そのために、まずは自分たちが、いろいろな媒体から洗脳されてきていることを認識して(洗脳自体が悪いものとは言いません)、世の中の様々な情報や価値観に触れ、その中から自分で「選ぶ」という思考の習慣をつけるべきではないでしょうか。
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