DTMと音楽理論
DTMをやる人の中には、音大や専門学校や個人指導でバリバリに音楽理論を固めている人もいれば、義務教育レベルの理論的知識しかない人までいて、その理解度のレベルは様々です。
「作曲」とか「音楽理論」に難しいイメージをもっていると、できればそれを知らなくても楽しく音楽制作できたらいいと思ってしまいます。しかし、それだとやはり上手に音楽は作れないんでしょうか・・・・・・・・・?
実は私も、独学でギターとDTMを始めた頃は、このテの悩みがつきませんでした。ただ勉強自体は苦手ではなかったので、本や雑誌を読み漁って自己流で勉強を進めていました。
DTMをやるのに音楽理論は必要か?と言われると、私なら結論として、「もちろん必要です」と言います。理由は、いまのDTMを取り巻く環境が、「ある程度の音楽理論を知っている前提」で作られているからです。
DTMの状況
ここからは細かい説明になります。また、何事も例外はありますが、あくまで大多数に当てはまる一般的なことという前提であることを付け加えておきます。
DTMは一般的に、パソコンに専用ソフトをインストールして作業を行います。このソフトを使うことがまず第一歩です。DTMのソフトには様々な種類がありますが、それらの殆どは、基本的に「西洋の音楽理論」に基づいたデータ処理をします。
「西洋の音楽理論」とはそれほど難しいことではなく、要は私達が学校でならってきた「ドレミファソラシド」を使った音楽のことです。クラシック楽曲は西洋の音楽理論をもとに作られています。また、巷できくポピュラー・ミュージックのほとんどが西洋の音楽理論をもとにしています。
昨今のDTMは、この西洋の音楽理論をもとに音を並べて音楽を作るように設計されているため、使用する人もある程度それがわかっている前提になっています。
なので、DTMをやる際には、「ある程度の音楽理論の理解」が必要になってきます。
DTMで音楽理論を使う具体例
ここからは具体例を説明します。
DTMは一般的にDAWソフトを用いて行います。私が愛用しているのがCubaseというソフトです。
DAWソフトでMIDIデータを入力するときは、ピアノロールという入力画面を使います。これは文字通り、縦軸がピアノの形状に合わせて音の高さを、そして横軸が音の長さを表す仕組みになっています。ピアノの鍵盤と同様に、ドレミファソラシドと黒鍵も含めてた12音が1つのまとまりです。この12音の並べ方を知っていることが前提で、それがすなわち西洋の音楽理論に含まれるものになります。
また、Cubaseにはコードを取り扱う機能もあります。コードとは和音のことで、12音から特定の音を抜き出して並べて、同時に鳴らすことで生まれる特有の響きが音楽を構成する土台となります。これも音楽理論に基づくもので、Cubaseなどのソフトはそのコードの知識があることを前提として設計されています。
どの程度の音楽理論が必要?
DTMでは音楽理論を知っていることが前提であることをご説明しました。
しかし、「ある程度の音楽理論」とはどこまでなのでしょうか?
実際、小学校で習うレベルの知識も「音楽理論」の範囲です。ですがそれだけでは不十分です。
ここは人によって様々な意見がありますが、私が最低限知っておくべきだと認識しているのは「スケール」「コード」「キー」の3つです。
スケールとは音の並びで、「ドレミファソラシド」も数あるスケールの中の種類の一つです。他にも様々な音の並びがあって、それを知っておくことでいろいろな表情のメロディーを作ることができます。
コードは複数の音の集まりで、同時にならすことで様々な雰囲気を作ります。このコードが移り変わることによって、曲に表情がうまれます。音の選び方と並べ方、そしてコード同士のつながり(コード進行)で曲は様々な表情を作ります。
キーとは、使う音の基準です。キーを上げたり下げたりすると、使う音全体が上がったり下がったりします。そして一曲を通して同じキーのままでいることもあれば、違うキーに移り変わる(転調)こともあります。その曲がどのキーでできているのかを把握することが極めて重要です。
まとめ
DTMは誰でも手軽に音楽を作れる便利なものですが、「ある程度の音楽理論」の理解は必要です。
「スケール」「コード」「キー」の3つについては、基礎的な部分を最低限はしっておくべきです。
それぞれの解説は、各種の参考書や、周りの信頼できる音楽家に質問してみてください。
巣ごもりしている人も多いと思いますが、より充実したDTMライフが過ごせることを祈っております。
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