実力派の歌手や声優のスゴイ技術
うまい歌手は一般の人と何が違うのでしょうか?
実力派と言われる声優の演技は何がすごいのでしょうか?
普段、そんなことを気にせずに、歌やアニメや吹き替えの演技などを聞いている人には、ぜひ『ブレス』に注目して聞いてみることをおすすめします。
個人的には、この『ブレス』の使い方が、声をより魅力的に聴かせる最重要ポイントの一つだと思っています。
『ブレス』とは、息づかいのことで、歌声や喋り声での発声とは区別して使われる技術です。そもそも、歌手が歌を歌うときや、声優が演技の声を収録するときにはマイクを通してその音を拾います。このとき、歌の言葉や喋り言葉以外にも、息を吸ったり吐いたりするときの音が一緒にマイクに通っていきます。そして私達は、マイクに収録された「声」+「息の音」を合わせて、スピーカーやヘッドホンから聞くことになります。
この『ブレス』があるかないかで、歌や声の表現はまるっきり違うものになります。ブレスがない(聞こえない)と、その声はなんだか無機質で不自然な感じに聞こえるのに対して、ブレスをうまく使った歌や演技は、臨場感に溢れ、感情のこもった表現として聞こえてきます。
ただし、あまりにも『ブレス』の音が大きすぎると、それを雑音として認識してしまうこともあるため、歌手や声優、そしてその音を収録して編集するサウンドエンジニアは注意しなければいけません。
機会があればぜひ、「この人の歌がとても上手で感情を揺さぶられる」とか、「この人のアフレコの演技は魂がこもってる」と思うときは、歌の歌詞やセリフの言葉だけでなく、『ブレス』にもよく耳を凝らしてみてください。すると、まるで目の前で歌ったり喋ったりしてくれているような、そんな臨場感をより味わうことができると思います。
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