子供を学校に行かせるべきか

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教育を受けさせる義務と学校教育

社会問題として「不登校」が取りあえげられるのは今に始まったことではありません。子供は小学校、中学校にきちんと通い、そこでしっかり学業と集団生活を学び、それぞれの進路に進んで成長するというモデルが日本では一般的によいとされているものです。なので、学校に行きたくなくて「不登校」になってしまう児童や生徒がいることは度々問題として取り上げられます。

私個人でいうと、小中学校は概ね楽しく過ごせたと思います。これは友達や先生に恵まれ、運がよかったかもしれません。ただし小学校低学年では、私は運動が苦手でインドアタイプで引っ込み思案だったこともあってか、嫌がらせをするようなやんちゃなグループが苦手で少し学校に行くのが嫌だった時期もあったような気がします(これは小5でラグビーを始めて一気に運動に目覚め、活発に体を動かすようになって変わりました)。また、小3か4くらいのときに小児喘息を患ったときは一ヶ月学校に行けませんでした。とにかく呼吸がしんどくて学校のことなんか考えてられなかったような記憶がありますが、何より大変だったのは、一ヶ月遅れで勉強に追いつくことでした。

「不登校」と一纏めに言っても、その子供や学校や家庭などの環境によって様々なケースがあるからこそ、単純に「良いor悪い」でひと括りにはできない問題だと言えます。人間関係のトラブルで本人が行きたくなかったり、私のように病気で学校に行けない状態もあれば、家庭環境が原因なこともあるでしょう。よって、それぞれの状況に応じて何が最適なのかを考える必要があるのがわかります。

そもそも、「学校に行くこと」が当たり前なのはなぜでしょうか?日本国憲法では、第26条に、「教育を受けさせる義務」というのがあります。ご存知のように、憲法は戦後にできたもので、人間の長い歴史の中で「子供は教育を受ける」というのがごく最近にできた常識だということが分かります。それまでは、基本的に子供も労働力として使われていたりすることが当たり前だったようです。ですが国を豊かにし、人類が文化的に発展していくためには、子供を大切に育て、知識や経験を安全に身に着けさせて大人へと成長させるべきだというコンセプトのもと、今の状況になっているということが理解できます。

一方で、「子供に教育を受けさせる」ことが、「学校に行かせる」ことと直接は結びつかないことも気をつけるべきでしょう。公立の小中学校は、国や政府や自治体が税金で運営する施設です。他にも私立の学校などもあるし、さらにはオンラインでの授業なども発展している昨今では、教育を受ける手段が増えていると言えます。学校で無償の教育を受けることはメリットもある一方、機械的に割り振られた集団の中で多くの時間を過ごすこととなり、これは人間同士のトラブルの原因ともなり得ます。

「子供に教育を受けさせる」ことは大切ですが、その手段が「学校に行かせる」だけではないことを、実際に子を持つ親だけでなく、社会全体で認識していく必要があるのではないでしょうか。

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