人間力について
人間力という言葉は明確な定義はないようですが、例えば「社会を構成し運営するとともに、自立した一人の人間として力強く生きていくための総合的な力」と言われたり、また平たくいえば「その人自体の魅力」と解釈することもできると思います。
私のこの記事では、人げ力を「悩みや苦しみをより少なくして生きていける力」として考察します。
人間はそれ単体では非常に弱い存在です。
だから常にいろいろなものに依存します。
まずは自分自身の体。そんなの当たり前と言われるかもしれませんが、肉体と精神を別のものとして考えるならば、私達の精神は肉体の状況に大きく依存すると言えます。体の調子がいいときや悪い時、食欲のあるときとないとき、運動能力などによって私達の精神状態や意思は大きく左右されるからです。
そして、衣食住。自分が着ているもの、食べているもの、住んでいる環境によってもまた、私達は意思や行動が規定されていきます。
さらに、人間関係。私達は基本的に、人の目を気にしないで生きることが不可能です。周りにいる人達の影響をモロに受けて、日々の生活を続けています。
このように、私達は様々なものの影響で自分の意思決定や行動が規定されていきます。なので、つねに良いものを周りに集めようとしますが、逆にそれに依存してしまうと、人間力は下がってしまいます。
例えば、お酒が大好きで毎日の晩酌が欠かせないという人がいたら、お酒がないと日々を生きるのがとてもつらくなってしまいます。これが、お酒に依存している状態です。
お酒やタバコなどの嗜好品はわかりやすいですが、他にも例を上げればキリがありません。お気にりのペンやノートじゃなきゃ勉強できないとか、自分の家の布団じゃなきゃ寝れないとか、そういったものも依存です。
極端な話ですが、どんな場所でも寝れて、何を食っても生きていくことができる人間というのは、生きていくという面で最強です。
ただ、なかなかそうはいかないため、私達は自分の周りを常によくしようとします。ここで大事なのは、「影響力の範囲」を考えることです。例えば自分の肉体や衣食住については、自分である程度コントロールすることが可能でしょう。健康な生活習慣を保ったり、住環境を適切に選ぶことで、自分にとって望ましい「依存先」を作ることができます。逆に、自分の影響力が及びにくいものに依存してしまうのは危険です。その最たる例が「他人」です。他人は自分でコントロールできないため、他人の存在に依存してしまうと、それを失うリスクに常に晒されることになります。
人間力を高めるには、なるべく依存を少なくすることと、依存するものを自分でコントロールできることが重要です。自分以外のものや出来事や他人に振り回されず、自分の意志で自分の人生を力強く、悩みや苦しみを少なくして生きていける力を持っていると、それは人間力のある人と言えるのではないでしょうか。
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