キーによる演奏の特性
以前の記事で、ギターのコードを押さえるとき、その曲のキーによってコードフォームをどのように対応させていくべきかを解説しました。
今回はその続きとして、Fを含む♭系のキーでの、ギターのコードフォームの対応について解説していきます。
♭系のキーのコード
前回の記事でも解説したとおり、「各楽器にはそれぞれ音の並びに特徴がある」ことと、「伴奏では出すべき音が最優先」という前提があります。
フラット系の各キーにおいて、ギターのコードをどのように対応させていくべきか、一つずつまとめてみました。
F
最初はFのキーについてです。ギターを弾く上で最初の関門となるFコードですが、トニックのコードであるF以外を考えると、キーがFというのは実は割と弾きやすかったりします。ダイアトニックコードのIIImがAmでオープンコードになるし、VはCです。とは言え、やはりトニックで1フレットのセーハがあるのは大変だし、開放弦も有効活用したいのであれば、カポを1フレットにつけてキー=Eとして演奏するのもアリだと思います。

KYSER ( カイザー ) / KG6 WHITE
B♭
キーの中でも頻出のIとVが、それぞれB♭とFになります。一般的にこの2つはセーハコードであるため、押さえるのが大変な部類になり、このキーだとギターでの押弦の負荷が大きくなります。カポを1フレットにすれば、キー=Aのように開放弦を使ったコードフォームが使えるので、開放弦の響きを優先させ、押弦の負荷を減らすことが期待できます。
E♭
E♭も、ダイアトニックコードのほとんどがセーハで対応しなければならないため、ギターではコードフォームを押弦しにくいキーと言えます。1カポにしてキー=Dのようにするか、または全弦を半音下げチューニングにして、キー=Eのようにするのも手です。
A♭
A♭もダイアトニックコードのすべてが基本的にセーハです。1カポでキー=Gのようにすると、途端に演奏しやすくなります。
D♭
D♭もダイアトニックコードでオープンフォームが使えるものはありません。1カポにすればキー=Cとして演奏できます。または、全弦半音下げにしてキー=Dとする手も使えます。
G♭(F♯)
G♭(またはF#)も、ダイアトニックコードは全てセーハで対応する必要があります。2カポでキー=Eとすれば演奏しやすくなります。ただし、カポは開放弦の響きと押弦の負荷を減らすことを優先する代わりに、ギターが出せる音の範囲を狭めてしまいます。♭系の多くは、ダイアトニックコードがセーハで対応するものとなるため、カポをしたほうが演奏面で有利になりますが、その分だけギターとして出せる音を限定してしまうというデメリットにも留意する必要があります。
まとめ
フラット系のキーは、ギターでコード弾きをする際、押弦の負荷が高いコードが多くなる傾向にあります。それを訓練で克服していくことも大事ですが、音楽を犠牲にしては本末転倒です。押弦の負荷を軽くしたり、開放弦の響きを活かすために、カポや変則チューニングなども積極的に活用することを検討してみてください。
また、前回の♯系のキーについての解説記事も、あわせて参考にしていただければと思います!
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