科学技術の発達よりも、やっぱり”剣と魔法”にワクワクする理由

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フィクションではハイテク文明よりもローテクな魔法世界のほうが人気?

人間の想像力は凄まじいもので、古代の神話から現代のweb小説まで、人々は何千年と作り話を作り続けてきています。そのおかげで私達は、未知の技術を駆使した宇宙旅行から、電気もないような文明の中で剣と魔法を使って魔物と戦う冒険まで、様々な世界を疑似体験できます。

それらのジャンルに優劣はつけられないし、個人の趣味嗜好は自由です。しかし、最近の創作物は、進歩した科学技術モノよりも、不思議な力の魔法ものの方が人気があるような気がするのは、私個人の気の所為でしょうか?例えば、MMORPGではファイナルファンタジーがやっぱり人気だし、それを題材にした小説(アニメ)ではソードアート・オンラインが不動の人気を持っています。私の大好きな「本好きの下剋上」も魔法の世界の話だし、ガチガチの魔法ものである「ハリーポッターシリーズ」は史上最も売れたシリーズ作品だそうです。中には、「とあるシリーズ」のように科学と魔法を共存させているものもあるし、「アヴェンジャーズ」は最先端の科学をつかうアイアンマンと魔法っぽい力をつかうソーが協力して戦ったりもします。

身近な目線でいえば、世の中にはもっと科学技術が進歩してほしいと思うはずです。エネルギー問題、環境問題、病気や公衆衛生、経済格差など、技術の進歩とともに解決できそうな問題はまだまだあるし、なんとなくそれらは想像もつきます。そんな中で、魔法が使えるようになりたい!と本気で思う人は少ないでしょうし、ファンタジーの世界で描かれる剣と魔法の世界は、現実での中世ヨーロッパ並の生活水準だと思うと、さすがにそれを今受け入れるのは難しいと誰もが思うでしょう。

だからこそ、「剣と魔法」は私達の手の届かないところにあり、非日常だからこそ、私達の心を潤してくれるような気がします。IT関連のニュースをみてみると、一昔前には心がおどるようなニュースであっても、例えばより速く計算できるコンピュータやよりキレイな映像を出せるディスプレイ、効率よく宇宙に行けるロケットなどは、もはやあまりにリアルになりすぎて、今の私達には興味がそれほど起きなくなっているのではないでしょうか。

十分に進化した科学は、魔法と区別がつかない、という言葉も聞いたことがあります。確かに、昔の人からしたら、今の私達が当たり前にしていることも魔法と大差ないのかもしれません。熱をおこすIHヒーターに、ものを冷やす冷蔵庫。空間に映像を映し出すプロジェクションマッピングや自由自在に空を飛び回るドローン。でも、原理を知ってしまったら、そんなの特別に驚くようなものでもなくなってしまいます。私達はきっとそうやって永遠にないものねだりをし続けるし、満たされない気持ちで居続けると思います。でもそれは生きる希望の裏返しでもあるかもしれません。この先も生きていたら、今まで目にしたことのないようなものに出会い、驚きたい、と、本能的に思っているのかもしれません。

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