DTM(MIDI)で扱うtickという単位について
MIDIを扱っていると、4分音符や8分音符などの音価の単位とは別に、「tick」という単位を目にします。
こちらの記事でも解説しているように、私が扱っているDAWソフトのCubaseでは、標準の設定で
16分音符 = 120tick
となっています。つまり、16分音符を120個に分けた長さが、1tickということになります(これは設定で変更できると思います)。
でも1tickって、16分音符の1/120の長さと言われても、なかなか細かすぎてピンとこないですよね?これ、秒数で把握できればなんとなくイメージができると思います。
当然ながら、曲のテンポによって、ある音価の時間的な長さは変わります。BPM=120の場合ならば、60秒で120拍という意味なので、1拍(つまり4分音符一個分)は0.5秒です。これがBPM=150になると、60秒で150拍なので、1拍は0.4秒になります。
これをもとに、1tickの長さも、実際には何秒なのかを計算してみます。BPM=125とすると、1拍は0.48秒(480msec)です。この場合、8分音符一個分は0.24秒、16分音符一個分は0.12秒となります。120tickが16分音符一個分なので、この場合の1tickの長さは0.001秒(1msec)です。
BPM=125で、1tickは1msec
これがとてもわかりやすい基準ではないでしょうか。このように計算すると、例えばBPM=160で、1tickはおよそ0.781msecとなります。テンポが早くなればなるほど、1tickあたりの秒数も短くなります。
このことを知っておくと、DTMでMIDIを編集する際に便利です。例えばドラムの打ち込みをするときに、ちょっとしたニュアンスとして前ノリや後ノリを出したい場合、MIDIノートのずらす量をtick単位で把握すると、おおよその目安となります。だいたい人がグルーヴをコントロールするのは10msecくらいの細かさだと言われますが、BPM=125くらいなら10tick前後がその差となります。微妙なニュアンスにしたいなら10tick以内で、大げさにタイミングをずらしたいならそれより大きく、といった具合です。もちろん、音色や曲調などによっても雰囲気は変わってきますので、あくまで参考程度と考えるのがよいでしょう。
以上、DTMをやる上で知っておくと便利な、tickのお話でした。ちなみに上記はCubaseのデフォルトの設定が前提となっています。お使いのDAWソフトでtickがどのように設定されているか、今一度確認してみてください。
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