作曲スタイル
いいメロディがあって、それを活かすコード進行が作れれば、作曲は9割方うまくいきます。良曲は、ピアノ弾き語りでもギター弾き語りでも、コード伴奏と歌だけで十分に成立してしまうものです。
(※作曲の定義について、厳密にはもっと細かい話が必要ですが、今回は便宜上、メロディとコードまでセットで創ることを作曲としています)
では、作曲をする人は、コードとメロディはどのような順番で作っていくのでしょうか?どちらかを先に完成させてから、というパターンもあれば、なんとなくお互いをそれぞれブラッシュアップしながら煮詰めていく・・・みたいなやり方もあると思います。今回の記事は、そんな作曲スタイルについての解説と、個人的な見解になります。
メロディとコードの関係性
一般的によく聞かれるポップスは、歌詞のついたメロディーがあって、コード進行がつき、それらにあわせて様々な楽器や音が編曲されて、一つの楽曲として完成されます。メロディとコード、そしてリズムの3つをあわせて「音楽の三要素」と言われるように、まずメロディとコードは曲の軸となる重要な部分です。
そして、メロディで使う音とコード進行で使う音は、お互いに影響しあって、その曲のイメージや雰囲気を左右します。例えばCコードがなっているときにファのメロディがあったとすると、ちょっと違和感のある響きになったりする(これをアヴォイドと言います)し、また同じくCコードでレのメロディがあると、スタイリッシュでおしゃれな感じの響きになったりします。
伴奏がない状態で、メロディ単体で素晴らしいと思えるものもあれば、メロディがなく、コード進行だけで素敵だと感じるものもあり、メロディとコードはそれぞれが奥深い要素です。しかし、一つの曲として捉えたときに、それらは互いに影響しあって、うまく混ざり合わなければいけないことも、忘れてはいけない重要なポイントです。
メロ先がオススメな理由
メロディとコード進行は、お互いがうまく響き合うことで、素晴らしい曲を作ることができます。しかし、メロディもコード進行も、「それだけで作れてしまう」ため、どっちを先にするか?ということが問題になります。
私の経験上、バランスのよい曲を作るには、メロディを先、ないしは優先度高めで作っていくのがオススメです。
作曲に慣れると、コード進行を思いつくのは容易になっていきます。曲のイメージがある程度できると、コード進行から作っていった方が圧倒的に作曲しやすいものです。
しかし、コード進行ありきでメロディを考えていくと、メロディの流れが不自然になってしまいがちです。メロディを乗っけるときに、コードの響きに合う音やリズムを選ぶと、メロディが無理やりそっちに行ってしまうような雰囲気になることが多く、その時点での響きはキレイでも、音楽的な流れとして魅力にかけてしまう、ということになりかねません。
歌ものの主役は、どこまでいっても歌とメロディです。素敵なコード進行がリスナーの心をグッと掴むのは事実ですが、それはあくまで、メロディありきでそのコード進行が成立している場合に限ります。そういったことから、コード進行をバンバン操れるような作曲上級者こそ、コード進行の誘惑にとらわれず、メロディ優先で作曲を進めていくように意識するとよいと思います。
まとめ
作曲をするときは、メロディ、コード進行、リズムの3要素が軸となっていきます。
このうち、素敵なコード進行を組み立てられるようになると、優先順位がそっちに行ってしまいがちです。しかし、歌ものの主役はあくまで歌とメロディ。作曲をする際は、自然で、心を掴むメロディ作りを最優先にすることをオススメします。
なお、私の場合、コード進行の本は、超初心者の頃以外あんまり役に立ちませんでした。好きな曲のコード進行をギターやピアノで弾きまくって、パターンを自分の中に蓄積していきました。その方が活きたコード進行の知識が身に付いていると思っています。
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