円滑な会話術
「コミュニケーション力」という言葉は世間でよく使われます。他人と意見を交わしたり、意思疎通をはかったりすることはとても重要なことではありますが、それゆえ奥が深く、うまくいったり、失敗してしまうことも多いものです。
人と会話する時は、自分と相手の両方の視点で考えることが大切です。それぞれ他人同士なので、価値観も違うし、考え方のバックボーンも違うし、表現方法も違うし、話している時の感情も違います。つい自分本位な考え方で話をしてしまうと、上手に意思疎通ができなかったり、どちらかが気分を損ねるような結果にも繋がりかねません。
人との会話におけるこういったトラブルを避け、円滑にコミュニケーションをする方法は色々あります。ケースバイケースで適切なものも変わってきますが、多くの場合で有効なのは「相手を否定しないこと」ではないでしょうか。相手が言うことは、主張や意見、提案など様々なものがあります。それが、聞き手の自分にとって肯定できるものもあれば、納得したり同意したりできない場合も多々あります。そういった時に、「いやそれは・・・」から始まる否定の言葉を出すと、相手はあまり快く思わないでしょう。
ではどうするかと言うと、まずは相手の言葉を「受け止める」必要があります。相手は自分の考え方に基づいて言っているのであって、基本的にはそれを尊重する姿勢を持つことが大事です。それが聞き手の自分にとって納得できなかったり、世間的にみて明らかにおかしいことを言っていたとしても、まずは一旦、相手のその言葉を認める必要があります(ただしこれは、本心で思ってもいないのに同意したり肯定したりすることとは違います)。
相手の意見、客観的事実、自分個人の意見、これらは全て切り離して考えることが大事です。全てが一致することはあり得ないし、そもそも普遍的な正解など存在しません。なので、まずは「否定する」という選択肢を自分の中から外し、その上で自分の意見や、世の中の客観的事実などを提示することによって、相手との会話はより充実したものになっていきます。自分が大切だと思う人との会話にこそ、このように大きな視点で考えて、丁寧にコミュニケーションをとるよう心がけてみてはいかがでしょうか。
コメント