Sleepfreaks監修のDTM用パソコンをオススメしない3つの理由

DTM

無駄が多く中途半端な印象

こんにちは。Windowsで10年以上DTMをやっているサウンドクリエイターのわーさーです。

先日、このようなDTM様パソコンの販売の告知がありました。

このDTM用PCを見てみると、どうも無駄が多いように感じます。そして値段も結構高い・・・。性能と価格のバランスを見ると、中途半端であまりオススメできない、という印象です。

https://www.dospara.co.jp/5create/cts_collab_sleepfreaks

ちなみに私はパソコン専門店で販売スタッフをした経験があり、DTM歴は10年、PC自作歴は8年、これまで自分で3台組んでいます。音楽制作の業務で使用しているパソコンも、自作のPCでこれまで大きなトラブルもなく使用し続けています。

無駄その1:グラフィック性能

DTM用途なら高性能なグラフィックカードは不要です。

また、動画編集もやりたいという人に向けても、このグラフィックカードはオーバースペックです。無料の編集ソフト、有料の編集ソフトなどでも違いますが、一般的な動画編集ならば「エントリーレベルのグラボで十分」です。(下記の記事で詳しくレビューされています)

【検証あり】動画編集にグラボは必要なのかを誰でも分かるように解説 - ムラメモ
本記事では動画編集用のパソコンにはグラボは必要なのか。グラフィックボードあり・なしのパソコンを比較しながら解説していきます。この記事さえ読んでおけばパソコン選びにも迷いませんし、おすすめのパソコンも紹介するのでかなりの時短になるかと。
【編集歴3年が厳選】動画編集に必要なパソコンのスペックは?おすすめPC6選 - ムラメモ
本記事では動画編集ソフトを使用するためのパソコンのスペックについて解説します。動画編集に必要なパソコンのスペック動画編集におすすめのノートパソコン・デスクトップパソコンを紹介します。最低限のスペックやできるだけ安いパソコンも合わせて紹介。

性能の高いグラフィックカードが必要なのは、かなり高画質の映像を処理する時や、高いフレームレートで動作させるPCゲームを快適にプレーする必要がある時です。もしそういった用途が重要ならば、他のBTOなどのゲーミングPCやクリエイター向けPCを選んだ方が良いでしょう。

無駄その2:大きいケース

この商品はインテルモデルでATXマザー対応のミドルタワーケースを採用しているようです。

しかし、今のパソコンにおいて大きいケースの需要は少なくなっています

まず、パーツの中でも大きな容積を締めるHDDですが、大容量データを扱うなら一昔前までは3.5インチの物理ドライブをガン積みするため、大きいケースが必要でした。ところが今はSSDが主流となり、M.2接続のものなどどんどん小型化が進んでいます。

さらに、光学ディスクドライブも容積的には大きいパーツですが、これも近年では使用機会が限られてきています。ネットの通信が高速になったおかげで、データの受け渡しはほぼネットで完結します。DVDやブルーレイなどのメディアも利用価値が低くなってきました。音楽家にとってCDを再生する機械がパソコンにないのはどうか・・・という葛藤もなくはないですが、そのために大きな筐体を選ぶべきかはよく考えるべきだと思います。どうしてもディスクの読み込みが必要ならば、外付けのポータブルドライブを使えば十分です。

無駄その3:お守りなんている?

購入特典として、オリジナルのお守りがついてくるそうなんですが、果たしてこのお守りっているんでしょうか・・・?(当然、商品価格にこの分のコストが上乗せされていると考えるべきです)DTMでは確かにトラブルも多く、神様でも仏様でも何か不思議な力にあやかりたい気持ちもわからなくはないです。が、必要かどうかは別で、この気休めにお金を払う価値があるかどうかはよく考えた方がいいでしょう。

またこの商品は、DTM関連の様々な製品で検証を行っているということを売りにしていました。

しかしそれで完全にトラブルが起こらないという保証はどこにもしていませんし、その対応についても明記されていません。

そもそも、パソコン周りで絶対にトラブルが起きないということは、どんな状況でもほぼあり得ないと思っていた方がいいです。WindowsでもMacでも同じです。ハードウェアシンセのようにそれ一台でシステムが完結していない分、メーカーが想定しないようなトラブルが起こる要因はどこかしらに必ずあります。

DTMのパソコン操作をやる上で必要なのは、その効果のほどが全くわからない『お守り』なんかではありません。情報収集能力と、論理的思考力と、トラブルに根気よく向き合う姿勢です。

ついでに一言

今回の商品ラインナップは、パソコンの性能のグレードで名称を分けています。

ですが、コードネームでグレードを分けるのって、どうなんでしょう?

Cmaj7、Csus4、Cadd9、どれもそれぞれが魅力的な響きを持っていて、コード自体に上も下もありません。

強いて言えば構成音の数に差がありますが、四和音のCmaj7(ド、ミ、ソ、シ)より三和音のCsus4(ド、ファ、ソ)の方が音数が少ないのにグレードが上なのは、とても不自然に感じます(私だけでしょうか?)。まぁ名前なんてどうでもいいことですが、コードを勉強している初歩の人に『コードに優劣』があるような印象を与えるとよくないとも思います。

どんな人にオススメできる?

今回は、あくまでDTM用のWindowsマシンという観点からスペックについて考察してきました。ただし、以下のような用途や環境の方だったら買ってもいいかもしれません。

  • DTM以外にも、PCゲームや動画編集などもやりたい
  • 部屋にはパソコンを置くスペースが十分あり、グラボやHDDを積極的に拡張したい
  • DTM専用機というのに価値を感じ、遊びで買ってみたい

このように、DTMでの音楽制作をメインでそれに特化した最適なパソコンを選ぶという点ではオススメしませんが、そうでなければパソコン自体の性能は高いので、色々な用途の期待に応えてくれるでしょう。

DTM用パソコンについての解説記事

私が以前、DTM用パソコンについて解説した記事もあわせてご覧ください。DTM用途に最適なパーツ構成などを解説しています。

【Windows自作関連】

【Macについて】

補足:残念に思ったこと

Sleepfreaksさんは、国内でDTMをやる人なら知らない人はいないであろう最王手の情報メディアです。私も初心者の頃から大変お世話になっていますし、そのコンテンツ量と質の高さは素晴らしいものです。

また、パソコン販売のドスパラも普段よく利用させていただいており、ほとんど市場で最安値の製品を安心して変えるお店で信頼しています。

その2社がタッグを組んでリリースしたDTM専用機としては、今回の商品はとても中途半端な印象を受けました。これならば、普通にBTOで販売されているスペックの高いゲーミングPCなどでも全く問題はありません。DTMに特化するならもっと痒いところに手が届くべきだと思うのと、トラブルが起きないような安心感を売りにするのはちょっといただけません。

もちろん、何を選んでいくらお金を払うかは個人の自由です。ただ、DTM用途のPCを選ぶ人に向けて、私からこの商品をオススメすることはないでしょう。

まとめ

Sleepfreals監修の音楽制作用パソコンが発売されました。

Windows自作PCでのDTM歴の長い私に言わせれば、パソコンでの音楽制作が目的の人にとっては、価格と性能のバランスが中途半端でオススメできないモデルです。これだったら、他のゲーミングPCを買うか、自分でパーツを選んで組むかした方がいいでしょう。パソコンをいじるのが苦手であれば、Macを選択した方が結果的に音楽制作に集中できます。何が一番大事な目的かを考えて、じっくりパソコンを選んでみてください。

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