「クラビネット」は楽器の種類の名前です
「クラビネット」と「クラビノーバ」って名前が似てますよね。どっちか、または両方名前を聞いたことがあっても、それが何なのか、実物を知らなければピンとこないかもしれません。
簡単に説明すると、「クラビネット」は楽器の種類です。電気式の鍵盤楽器(キーボード)で、エレキギターと似た音の出し方をするため、中域が強調されたマイルドかつ歯切れの良い特徴的な音がします。
特に、過去のソウルやファンクの名曲でよく使われており、そういったジャンルと非常に相性がいい楽器です。クラビネットが使われている有名な曲としては、スティーヴィー・ワンダーの「迷信」 (Superstition)などがあります。
実際にクラビネットの音を出そうと思っても、実機はそれほど出回っていないでしょう。しかし、近年のデジタル・シンセサイザーにはほぼ必ずクラビネットの音が入っています。プリセットで、「Clavi」とか名前がついているものはほぼそれだと思っていいでしょう。

KORG ( コルグ ) / KROSS2-61-MB 【純正ケース付】61鍵キーボードシンセサイザー
「クラビノーバ」はヤマハ社の電子ピアノのシリーズの名前です
一方、「クラビノーバ」は、楽器メーカーのヤマハがリリースしている電子ピアノのシリーズの名称です。

電子ピアノは、ヤマハ以外にもカワイやローランドやコルグなど様々なメーカーが、それぞれ独自の商品をリリースしています。ヤマハは、自社の電子ピアノに「クラビノーバ」という名前をつけて販売しています。なので、「クラビノーバ=ヤマハの電子ピアノ」ということになります。

YAMAHA ( ヤマハ ) / YDP-164R
他にも(追記)
この他にも、楽器関連では「クラビ〜」と名前のつくものがあります(Twitterで教えていただきました)ので、いくつかご紹介します。
クラビオット(CRAVIOTTO)
クラビオットは、ドラムスのメーカーの名前です。単板職人として世界一著名なジョン・クラビオット氏が立ち上げた自身のブランドとのことで、高級なラインナップが多いようです。
クラヴィコード
クラヴィコードは、ピアノができる以前に使われていた鍵盤楽器で、ピアノよりも鍵盤の数が少なく、音も小さいようです。
クラヴィチェンバロ・コル・ピアノ・エ・フォルテ
とても長い名前で、耳馴染みがないかと思いますが、これが私たちのよく知るピアノの正式名称だそうです。ピアノという楽器ができる前、上述のクラヴィコードや、チェンバロという楽器がヨーロッパの鍵盤楽器としては広く使われていましたが、それがより広い音域をカバーし、強弱(ピアノからフォルテ)が付けられるようになった楽器、として今のピアノができたそうです。
クラヴィオルガヌム
これはチェンバロやバージナルをオルガンと組み合わせて同時に音が鳴るようにした楽器だそうです。ところで私はシンセサイザー(キーボード)を使う時、よくレイヤー機能(例えば、一つの鍵盤を弾いたら、ピアノの音とストリングスの音が同時になる)を使用しますが、似たような発想は既に16世紀ヨーロッパでもあったようです。
まとめ
クラビネットは鍵盤楽器の種類の一つです。クラビノーバはヤマハの電子ピアノの名称です。ぜひこの機会に覚えていただければと思います。
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