人を傷つける笑いはレベルが低い

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面白ければいじってもいいという風潮

人間誰しも汚い部分はあるもので、人の悪口とか批判とか貶したりするのは、楽しい部分もあります。でもそれをやって傷つく人がいたり、自分(たち)にとって何も生産性が無かったりすることから、極力控えるべきであるというのが、私の考えです。

一方で、大っぴらにそういったことが「悪くはない」とされているシーン、そして価値観もあります。それが、「いじり」を使った笑いです。これはテレビなどのメディアでも、そして身の回りでもよく使われます。

例えば、テレビの芸人さん同士のやりとりで、容姿や体型などを指摘して笑いをとるシーンは度々目にします。芸人は笑いをとる仕事だから、むしろそういったことで笑いを取れるなら立派に仕事をしている、と言えなくもないですが、根底に潜むのは、人が優劣をつけて相手を貶して面白がる、という性質でしょう。問題はそこだけに止まらず、そういったやりとりの影響を受ける私たちにまで及びます。テレビに出て笑いをとるのが仕事ではない私たちも、日常の会話ではそういった「面白いトーク」のプロパガンダを受けてやりとりをしてしまいます。「いじって面白ければ良い」「笑われた人はオイシイ」そんな価値観は、(少なくとも)テレビの向こうの世界で通用してはいても、一般人の私たちが各々どう思うかは別問題です。先ほどの例えのように、容姿を指摘されたりして貶されたら、例え場が盛り上がっても、機嫌を損ねる人が大半ではないでしょうか?ですが実際は、そんな個人の価値観はあまり尊重されず、集団の中に属すると、多くの人の意向に飲み込まれてしまうのは、避けることが難しいでしょう。

「人を傷つけるような笑い」は、レベルが低いです。言い換えると、知性に乏しいとも言えます。一般的に、テレビの内容というのは小学5年生くらいでわかる内容で作られてると言われています。芸人さん同士で容姿を貶したりするものもあれば、素人の若い女性に料理をさせて、面白おかしく編集し、その失敗をスタジオのおじさんたちが笑うような番組もあります。いい大人がその程度の娯楽でしか楽しめないというのは、悲しい気持ちになります。せめて、そういった内容が、「みんなが笑って楽しい」という大義名分を隠れ蓑に、人の心を傷つけていることの自覚は持つべきでしょう。

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