『用語の区別』ができないと学習効率が下がる理由

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同じ言葉でも違う意味を持ったりします

私たちは何かを勉強していくと、新しい言葉に出会います。ただし、この新しい言葉には二種類あって、「全く聞いたことがない言葉」と「既に聞いたことがある言葉」に分けることができます。新しい言葉なのに、”既に聞いたことがある”とは、どういうことなのでしょうか?

例えば、運転免許の試験では、標識の見方を勉強します。そこで「転回禁止」という標識を学習します。「転回」という言葉は、車の運転以外でも一般的に使う言葉で、「ぐるりと回ること、向きを変えること」を意味します。しかし、道路標識での「転回」は「車がUターンして進路を変えて進むこと」という定義になります。一般的な転回の意味と重複しているものの、あくまで車がUターンするという動きに限定した言葉(用語)として使われていることになります。極端な話ですが、車がスピンして一回転して元の向きと同じ方向になったとしても、それは標識でいう「転回」には当たりません。

他にも、音楽理論では「解決」という言葉がよく出てきます。一般的に解決と言えば、問題や事件を処理することや、疑問を解消して納得することを指します。しかし音楽理論でいう「解決」は、音が不安定な状態から安定した状態へ移ることを意味します。「気をつけ、礼」の号令の時の、「ジャーン(トニック)、ジャーン(ドミナント=不安定)、ジャーン(トニック)」をイメージしてもらえればわかりやすいと思いますが、最後の音で安定した落ち着いた感じになることが、音楽用語でいう「解決」です。これは、私たちが普段使う「問題解決」の解決とは明確に区別して使わなければいけません。(問題解決の解決を引きずったまままだと、音楽理論の解決を理解するのに時間がかかってしまいます)

至極当たり前な話ですが、一つの言葉が一つだけの意味を持っているとは限りません。「ヤバイ」という言葉だっていい意味と悪い意味があるようなもので、私たちはそれをシチュエーションや発言する人によって区別して解釈します。新しいことを学習していて、新しい言葉が出てきたときは、その字面の先入観を意識して取り払わないと、効率よく学習する妨げとなってしまいます。

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