自分の「できなさ」を知ることが出発点

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自分に過剰に期待してしまう

こんな実験があるそうです。

ある部屋に集められた人たちはみんな、普段車の運転をしています。全員に一人ずつ、「この部屋の中であなたの運転技術は何番目くらいですか?」とアンケートに書いてもらうと、大体の人が平均より上、と答えるそうです。

「まだ本気出してないだけ」というのはネタ的に扱われることも多いですが、人間の心理によく当てはまる考え方を端的に表していると言えます。つまり、私たちは往々にして「本当はもっとできる。自分はこんなパオフォーマンスを発揮できるはず」と思っています。ところが、現実はなかなかそうはいかないものです。勉強も仕事も、運動も芸術分野も、日常生活も人間関係も、思ったようにできないことばかりで、だから努力したり、または諦めたりします。

何か達成したいことに向けて努力することはとてもいいことです。一方で、無理だと思ったらスパッと諦めることも、同じように重要です。ただし、その時の気持ちとして「自分が今どの程度が」ということに素直に向き合わないと、後々面倒なことになります。「理想の自分」とのギャップを埋めるように努力をするのは苦痛です。自分の現状を素直に受け止め、そこから変化していくという認識を持つと、努力して成長することが楽しいことになっていいます。また、諦める時も「本当はできるけどね」という気持ちは負け惜しみになってしまい、他の人への無用な嫉妬の感情を生んだりします。「自分には向いていない、できない」を素直に認め、やるべきことややりたいことに集中していくと、自分の気持ちも治るし、周囲との関わり合いもうまく行きます。

物心ついた頃から常に周りと比較され、他人の価値判断で測られてきた私たちです。当然そのような感情になるのは仕方ないのですが、ここはグッと飲み込んで自分をありのまま見つめると、そこがまた、新しい出発点となります。

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