DTMのプラグイン選び
DTMで鳴らす音源やエフェクトのプラグインソフトは星の数ほどあります。
国内のも海外のも、いろんな楽器やシンセ、効果を謳って多種多様な製品がリリースされています。
私は本格的にPCでの制作を初めて10年近く経ちますが、本当にたくさんのプラグインを買ってきました。
その中でも、今回は、
「買ったけどあまり使わなかった」
プラグインを3つご紹介します。
なお、これは私個人の体験談であり、どのプラグインについても良し悪しを決め付けるものではありません。
買ってもあまり使わなかったプラグイン
プラグインを買うのは、DTMをする人にとって、まるで宝箱を開けるような感覚に近いでしょう。しかし、それが本当に宝物になることもあれば、忘れ去られてしまうようなものであることも多いです。今回は私の場合の、もうあまり使っていないプラグインをご紹介します。
Ivory II Grand Pianos
「高品位なピアノ音源」として有名なのが、SYNTHOGYのIvory II Grand Pianosです。とてもいい音源ですが、めちゃくちゃ容量がデカイので、立ち上げるのを少し躊躇います。

ピアノ音源はよく使うのですが、私は普段、UVIのMODEL Dや、Native InstrumentsのTHE GRANDEURをチョイスしています。


これらは比較的軽く動くので、割と反射的に立ち上げてしまうことが多いです。MODEL Dは値段が安いし、GRANDEURはKompleteに入っているので、どちらも入手しやすいと言えるでしょう。
現状の私の制作する音楽だと、ピアノ単体が主役になることがそれほど多くないため、これらでも十分間に合っているとも言えます。音源としては十分なので、あとはEQや空間処理でうまく楽曲に馴染ませることの方が重要になってきます。
Ivoryについては、ピアノ音源に物足りなくなったら、また引っ張り出して使うかな〜、というくらいです。

Native Instruments ( ネイティブインストゥルメンツ ) / KOMPLETE 13
BFD3
高品位なドラム音源の定番として有名なBFD3ですが、これも私は最近あまり利用していません。

高機能だし、音もいいですが、設定に時間がかかるのが、使用を遠ざけている要因です。私は楽曲制作にかける時間は大きく二つに分けられると考えていて、「思考する時間」と「作業する時間」があるのですが、そのうち「作業する時間」はなるべく減らした方がいいと考えています。「思考する時間」は、例えばメロディーを考えたり、コード進行を工夫したり、フィルインやオブリフレーズを試行錯誤する時間のことで、これは良い作品を作る上で必要な時間だと思っています。一方の「作業する時間」は、例えばプラグインを立ち上げて音色を設定したり、ドラム音源をパラアウトさせてDAWのチャンネルにルーティングさせたり、頭に浮かんだフレーズをMIDIシーケンスとして打ち込んだりする時間のことで、これは極論すると誰がやろうと結果は同じ作業となります。
長くなりましたが、要は、「思いついたら、とっとと音にしたい」というのが本音で、それまで時間がかかってしまうのは避けたい。BFDも、もちろん使い込めば素早く音が出せるとは思うのですが、その点では私はSSD5.5の操作性に慣れているので、どうしてもそっちに手を伸ばしてしまいます。SSD5.5は音作りしやすく、軽く、操作も素早くできるようによく作られていると感じています。

ただし、ドラム音にめちゃくちゃ拘りたいときとか、拡張音源で使いたいのが出た場合は、BFDさんにもまた活躍してもらうかもしれません。
DAWのドラム音源を比較した記事もありますので、よければご覧ください。
iZotope NEUTRON 2
昔、ミックスがうまくいかなくて悩んでいた頃、「AIによる自動ミキシング」は、まさに夢のような技術だと期待に胸を踊らせました。

NEUTRON2(今は最新版が3だと思います)は、プラグインをトラックに挿して再生すると、AIが自動的に最適なミキシング処理(EQとかコンプとか)を施してくれる、というプラグインエフェクトの製品です。
結論として、しばらく使っていたのですが、自分でも驚くほどの効果は得られなかった、というのが正直なところです。ポンと挿してスイッチ一つでミックス完了!といけばいいのですが、私の使い方が悪いのか、単体のトラックそれぞれにプラグインを挿してみても、トータルとして納得のいく2mixになることはあまりありませんでした。
そもそも、自分の手掛けた曲が、どのような処理がされているのか分からず出来上がる、というのも気持ち悪いと感じます。コンプやEQなどは最初はその効果がわかりにくいものですが、決して魔法の類てはなく、単に物理的な信号処理をするだけのものです。その仕組みと効果を耳で理解して、初めて楽曲制作における道具として機能するものだと思います。
なので、現在の制作ではNEUTRONは使わず、それぞれ単体のプラグインを必要に応じて設定して使っています。結果的に、現状ではその方が素早く、所望の音を手に入れることができています。
現在のNEUTRONはもっと進化していて、素晴らしい効果が得られるのかもしれません。しかし、いちいちトラックに挿して、再生させて、AIに判定させる時間があるなら、自分でプラグインを設定した方が早いな、という部分は変わりません。
もし使うとしたら、ミキシングを研究していく上で、「AIならこういう処理をするのか」という参考程度に使うと思います。ただし、これはあくまで私の見解です。NEUTRONを実際の制作で効果的に使われている人がいたら、ぜひそのコツなど教えていただきたいので、コメントいただけたら嬉しいです!
まとめ
個人的に、買ったけどあんまり使っていないプラグインは、
- Ivory II Grand Pianos
- BFD3
- NEUTRON 2
でした。ただし今後、使いたい時が出てきたらまたお世話になるかもしれません。
DTM大好きな皆さんの参考になれば幸いです!
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