「決められない」のはなぜ?
私たちは日々、物事を判断し、行動を「決定」しています。
何時に起きるか。起きてから何をするか。朝ごはんを食べるか食べないか。食べるならご飯かパンか。通勤通学はいつも通りか、ちょっと早めに行ったりするか。電車が遅れていたらそのまま待つか、別のルートを使うか、などなど・・・。決めることの種類は、実は膨大です。
でもたまに、
「なかなか決められない」
「決めたことに自信を持てない」
という状況が訪れることがあると思います。
大きな買い物をする時や、進路、パートナー選びなど、後からなかなか変えることのできない判断は難しく、「決められない」や「決めたけど自信がない」といったことになりがちです。
ではなぜそうなるか、答えは「判断力」が不足しているからと言えます。
ではその判断力とは、具体的にはどんな力なのでしょうか?そしてそれが十分にある状態とは、どういう状態なのでしょうか?
判断力
判断力の意味を調べると、「物事を正しく認識し、評価する能力」と出ます。
1 物事を正しく認識し、評価する能力。
(引用:日本国語大辞典,世界大百科事典内言及, デジタル大辞泉,大辞林 第三版,精選版. “判断力とは” (日本語). コトバンク. https://kotobank.jp/word/%E5%88%A4%E6%96%AD%E5%8A%9B-606859)
となると、判断力にはまず「正しく認識する」能力が前提として必要だと理解できます。この、「正しく認識する」ことのレベルに応じて、それの評価(つまり、決断する)が決まってくるということになるでしょう。
そこで、私はそれを元に、「決められる」人になるための、「判断力のレベル」を考察してみました。
判断力のレベル
ここからは、私が独自に考えた、判断力のレベル分けをご紹介します。
判断力1「周りがそうだから、そうする」
これは判断力が最も低い状態だと考えています。むしろ、これは判断していません。
例えば、スーパーで品物を選ぶ時、「一番売れてます!」のポップを見て買う。これは何も判断せず、「周りの多くの人が買っているんだなぁ」という情報だけで、自分の行動を決断しています。
ただし、私はこの判断が全て悪いとは思っていません。私たちは生きていく上で決めるべきことが多すぎます。時にはこういったほぼ思考停止で、周りにあわせた方がいい場合も多いでしょう。スーパーでお茶を買う時、種類が豊富すぎてどれを選んでいいかわからない・・・でもどれも多分同じ、だったら、「みんなが買ってるものを選ぶ」で全然問題ないと思います。
判断力2「なんとなくそう思うから、そうする」
判断力の次のステージは、より主体的になります。
自分が、「なんとなくそう思う」から、というのが根拠になります。様々な選択肢の中で、うまく言語化して説明はできなくても、フィーリングとして選びたくなる・・・この感覚を尊重するということになります。
人間の脳はとても複雑な思考を瞬時にできると言われています。ただし、それを私たちは一つ一つ丁寧に言語化して考えることはできないようです。「直感」というのは、これまでの膨大な経験や蓄積した情報を元に、自分にとって最適な判断を下すようなプログラムだと言えます。「迷ったら直感で」は、一見賢くなさそうですが、案外いい判断を下す場合もあるようです。
これが、私が「周りに従う」よりも高い判断力としている根拠です。考えのベースが自分にあり、自分にとってベストなものを選ぶ・・・というのが、「物事を正しく認識する」ことに、より近い手法であると思います。
ただし、「自分の考え」が間違うことも往々にしてあります。それは二つの理由が元になっています。一つは、間違った情報を根拠にしている場合。もう一つは、「目的を見失っている」場合です。日々様々な情報に晒され、膨大な選択肢を提示される私たちは、いつの間にか「目的を見失ってしまう」ことがあります。
判断力3「ある目的のために、最良の選択肢として、そうする」
一番高い判断力を持つ状態というのは、「ある目的」が定まっていることが条件だと考えています。
スーパーでお茶を選ぶ時、その目的が「適当に喉を潤すもの、でも水以外で気軽に飲めるもの」だったら、適当に多くの人が買ってるものを選べます。
それが、「健康維持増進を目的とし、かつ家計の中で飲料費に当てられる金額以内で入手できるもの」という明確な目的が定まっているとします。
すると、「自分の健康にとってプラスになる商品」という条件が付加されますし、さらに予算の制約条件の中でなるべくその効果が高いものを選ぶようになるはずです。
このように、「目的」が明確に定まっていると、それに関連する情報は自ずと集める必要が出てきますし、判断する根拠も明確で、より「正しい認識」に基づいた判断を下せます。
例に出した「お茶」くらい、たかだか数百円の話です。でもこれが「進学先」とか、「就職先」とか、「住宅」とかだと話が変わってきます。所属する場所を決めるのは自分の時間という取り返せないものを差し出す決断です。住宅とかの買い物は多くの費用がかかります。これらを、判断力1の「周りがそうしてるから」で決めていいでしょうか?判断力2の「なんとなくそう思うから」で決めていいでしょうか?判断力3で選ぶためにはどうすればいいでしょうか?そこには、明確な、あなただけの「目的」が必要になってきます。
まとめ
このように、「判断力」と一言で片付けてしまうのは簡単ですが、それを高めていくのは案外難しいのではないでしょうか。
知識と、経験と、さらに自分の意思をしっかり持つことで、「決められない」「決めたけど自信がない」といった状況にならないような、あなた自身の高いレベルの「判断力」が身についていくと思います。
なるべく後悔しないような、一人一人の素晴らしい人生を歩めるような生き方として、参考にしていただければ幸いです!
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