ギターを耳コピする
全くの初心者でなければ、ギタリストなら誰しも必ず『耳コピ』はしたことがあると思います。譜面を元に演奏を再現するのではなく、他者の演奏を耳で聞いてコピーすることです。
これは、演奏したい曲の譜面がないために『必要だから』やる場合もあれば、自分のスキルアップのために『敢えてチャレンジする』場合もあると思います。
耳コピはいきなりできるモノでもありません。多くのギタリストが練習をしてできるようになっていきます。大変ではありますが、耳コピができると、人の良い演奏を吸収して、より自由に音楽の表現ができるようになっていきます。
もちろん、ギタリストでなくても、音楽制作をする上でギターの演奏を再現したい作曲家、アレンジャーなどの方も、耳コピのスキルはぜひ身に付けておきたいものです。
耳コピのためのスキル
今回は、中学生時代の趣味から初めて、今では仕事でもガツガツ耳コピをするようになった私の経験を元に、耳コピで役立つスキルをご紹介します。
音楽理論
まずは理論です。一括りに理論と言っても、和音の理論と旋律の理論の違いや、クラシックとジャズ・ポピュラーなどのスタイルの違い、さらにその中でも細かく項目分けできる違いがたくさんあります。ただ、どの理論が耳コピで役に立ち、どの理論が役に立たないと言い切ることができません。
理由は、耳コピ対象となる曲によって、その手助けとなる理論が違うことが起こるからです。いずれにせよ、理論的な知識があることによって、演奏の解釈がしやすくなることは間違いありません。
聴音
次は聴音です。聞いた音の音名、複数の音の音程、和音の構成などを聞き分ける能力です。絶対音感、相対音感共にあった方がいいのですが、こちらは相対音感がより重要です。耳で聞いた音と、自分のギターで鳴らす音の一致を認識するところから始まり、複数の音が同時になっていたり、連なったりするのを聞き分けるには訓練が必要です。訓練次第でその能力は高められます。耳コピを繰り返していてもその能力は高まりますが、トピックを分けて集中的に訓練した方が効果が高い場合もあります。
ギターの構造の知識
ギターというのがどんな楽器かをよく知っているのも、耳コピする上では大事になります。アコースティックギターとエレキギターの違い、ギター本体や弦の材質と構造、音が鳴る仕組みなどなど、様々な要素が合わさってギターは音が鳴ります。エレキギターはさらに、アンプやエフェクターで音をいじることができます。その辺りも非常に奥が深いのですが、知識があることによって耳コピの手助けになります。
ギターの様々な演奏テクニック
ギターの演奏テクニックも、持っていると耳コピの手助けになります。知らないよりは知っている方がいいし、知っているだけより弾けた方がいいし、さらに言えば単に弾けるだけより高い演奏技術があった方がよりいいです。
ギターの演奏経験
上記のテクニックに付随しますが、様々なジャンルや曲を演奏した経験があると、耳コピもしやすくなります。今まで自分が弾いたことのあるフレーズの蓄積が多いほど、その記憶と紐付けて新しく聴く音を判別しやすくなります。
音響と音楽制作
耳コピをする場合、大抵はCDや配信などで曲の一部として演奏されているギターを聞くことになります。ギター単体で鳴っている演奏を耳コピすることの方が少ないでしょう。なので、その曲がどのように制作されて、その中でどのようにギターが鳴っているのかを把握できると、耳コピがより精度高くできるようになります。
私は中学生の時、ANIMETALというアニソンのメタルカバーバンドにどハマりしていましたが、その時は音楽制作なんて全く知らなかったので、全部バンドで一緒に演奏したのを録音したんだと思っていました(本当は、それぞれのパートを、部分部分で演奏して録音して、つなぎ合わせることがほとんどです)。ANIMETALは「アニメタルマラソン」というアルバムがあって、42分で40曲前後をメドレーでつなぎ合わせる恐ろしい内容なのですが、私はそれを「42分メドレーで弾ききってるのか!プロってすごいな!!」と無駄に関心していました。(流石にレコーディングはテイクを分けてると思いますが、実際に彼らは演奏でも42分弾ききることができるかもしれませんね。)
(こちらの商品には、中学3年生当時のわーさーがファンのインタビューで登場しています。よかったら探してみてください)
まとめ
今回は、ギターの耳コピに役立つスキルをご紹介しました。
まず、音楽全般のスキルとして、音楽理論の理解と聴音の能力があります。
さらに、ギターの構造と、演奏テクニックの知識やスキルは必須です。
加えて、経験豊富なギタリストほど耳コピがしやすくなります。
そして意外と重要なのが、「音楽がどうやって作られているか」という知識です。音響やDTMなどの心得があると、より大きな視点でギターの演奏を聴いて、捉えて、自分の演奏として再現できるようになります。
皆様の素敵なギターライフ、DTMライフを応援しています!
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トータル・ギター・メソッド〜カッティング編〜 (MyISBN – デザインエッグ社)
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