プロ・ミュージシャンの向き不向き
これは絶対的な正解がある話ではなく、個人の見解です。
プロ・ミュージシャンは、社会的には特殊な人種です。
憧れる人が多い反面、なれる人は少ないものです。
そんなプロ・ミュージシャンに向く人、向かない人とは、どのような人なのでしょうか?
佐久間正英さんの著書「直伝指導! 実力派プレイヤーへの指標」
佐久間正英さんは、BOOWYやJUDY AND MARYなど著名バンドのプロデュースを手掛けたことで有名な、日本を代表する音楽プロデューサーの一人で、今はもうお亡くなりになっています。
生前に書かれた著書で、佐久間正英は音楽業界の第一線で活躍を続けた中で、プロミュージシャンを目指す人へのアドバイスをしてくれています。
直伝指導! 実力派プレイヤーへの指標 How to be a professional player? プロになること、目指すこと (CD付)
この本は主にバンド(ギター、ベース、ドラム、キーボード、ボーカル)およびその楽器でプロを目指す人向けの内容になっています。
プロに向かない〇〇な性格
著書の中で、佐久間さんは、
「真面目で融通が効かない人」
が、プロには向かないと述べています。
理由は、「プロの中には、ミュージシャン特有のいい加減さを持っている人が多い」からだと言います。こういう人たちとうまく付き合っていく能力や器量を持ち合わせていることが大事で、「他人の責任でものごとが計画通りに運ばないと、極端にイライラする人」なんかは、向かないのでは、としています。
おそらく、長いこと音楽を続けている人には、思い当たることだらけではないでしょうか?音楽の活動はほぼ、人との関わりあいです。歌や楽器の演奏、音楽自体はその手段に過ぎなくて、音楽を生み出す側と受け取る側の関係、共同で何かを作り上げる人間同士の関係性がその本質だと私は考えます。当然、嬉しい楽しいことだけではなく、苛立ったりすることも必ずあります。そんなことを考えながら、とてもこのメッセージは私の胸に響きました。
そもそも損な性格
真面目で融通が効かない、という性格について、プロミュージシャン以外でも、今の世の中では不利に働く場面が多いように感じます。
世の中の正解や、ミスのない仕事、ルーチンワークの価値が薄れていき、新たな発想や可能性の価値が相対的に上がっている昨今、真面目で頑固一徹であることのデメリットの方が大きいように思います。
もちろん、人に迷惑を描けるような不真面目さは褒められたものではありません。
しかし、真面目で困るのは、自分の価値基準、過去の前例などが当てはまらないときに、どう対応できるか。
真面目で融通が効かないと、それを否定してしまうだけかもしれません。
しかし柔軟で寛容な器量があると、他人とうまく付き合う方法を見つけて、そこに新しい可能性を見出すことができるかもしれません。
「テストで100点を取る優等生」だけでは、音楽はもちろん、社会の色々な場面で苦しくなっていくのではないでしょうか。
まとめ
変化が多く、色々な人が関わり、それぞれがお互いを尊重し合う時代に、
「真面目で融通が効かない」
という性格は、損をすることが多くなるかもしれません。
それがミュージシャンであろうとなかろうと。
今回はそんなお話でした。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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佐久間さんが亡くなられてから6年が経ちました。
いつも先の未来を見ていた佐久間さんは、存命であったら、突然のウィルスによって激変しつつあるいまの世界をどう捉えていたのでしょうか。
私は、まだ命ある一介のミュージシャンとして、時代と向き合いながら、音楽で人が豊かになれる未来を作りたいと思います。
どうか、天国から聞いていてくれたら嬉しいです。
【本日のオススメ本】
直伝指導! 実力派プレイヤーへの指標 How to be a professional player? プロになること、目指すこと (CD付)
※今アマゾンでプレ値ついてますね・・・。再版されるか電子書籍になるまで買わない方がいいと思います。。。
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