『ちゃんと練習してこいよ』と言ってはいけない理由
結論から言うと、多分そのメンバーは練習してきてます。
×練習してきてない
◯練習したけど弾けるようになっていない
という状況です。詳しく解説していきます。
バンドでやる曲が『弾ける』とはどう言う状態か
どこまできれば弾ける(歌える、叩ける)のでしょうか?
ギタリストなら、ある程度経験があればテンポ120のKey=Cのダイアトニックコードの連続、8分音符主体のものなら、難なく弾けるでしょう。
これは中学生でもそこそこ練習すれば弾けます。弾けます、が、中学生が弾くオープンコードとプロギタリストが弾くオープンコードは同じでしょうか?全く別物ですよね?ギターは奥が深い楽器です。正しく押さえてジャラッと弾くことはできても、ピックの当たる角度、振り抜くスピード、押さえる弦とミュートする弦の加減、ウラ拍を弾くときのハネ具合、ギターのボリュームとトーンの設定、アンプ、エフェクターの最適な設定など、要素をあげればきりがありません。
バンドでやる曲が、初期ビートルズのような割とシンプルなものなら、それっぽく聞こえるレベルでの演奏はそこまで難しくありません。
しかし、テンポの速いプログレッシブロックのリードギターだったり、ジャズの要素が混じった複雑なコード進行のロックだったり、音数を詰め込みまくってバッキバキにアレンジされたアニソンだったり、それを原曲のように再現するのは非常に困難です。
「ちゃんと練習しとけよ」
「弾けるようにしてからリハに来いよ」
いやその前に、求めてるレベルがToo Matchではありませんか?それはそのバンドでやる曲としてレベルは適切ですか?「この曲をやりましょう」と言う計画の時点で失敗している可能性が非常に高いです。
バンドメンバーみんながトッププロ級の実力だったら・・・
どんなにラクでしょう。きっと阿吽の呼吸で演奏が合い、もしかしたら自分の小さなミスも他のメンバーがカバーしてくれるかもしれません。どんな難しい曲もリハ一発で完璧にあってしまいそうですね。ライブは大好評、どんどん人気が出そうです。
・・・・そんなことってありますか?
そう、これって他人に期待しまくってますよね。ちゃんとやってこいよ、と言うあなたはどうでしょうか?多分すごく真面目に、音楽が大好きで、一生懸命練習してきて、素晴らしいと思います。でも違ったシチュエーションなら、あなたはそれを言われるかもしれません。自分より遥かにレベルの高い人に囲まれたバンドで、自分の力量を超える楽曲をやることになり、必死に練習してきても、リハでできない。その時周りのメンバーから言われるのは、
ちゃんと練習してからリハにきてよね・・・
やるせないですね。でも起こりうることです。バンドの中での実力、力量とは相対的なものなので、弾けない人を断罪することは間違っています。きっとそのメンバーは不真面目なんではないと思いますよ、そんな一生懸命なあなたと一緒にバンドをやりたいと思ってくれている人なんですから。

ゴールを設定見直しましょう
メンバーが弾けないのは、単純にレベルを超えた曲だから、と言う可能性が大きいことをご説明しました。とは言え、せっかくのみんなで合わせるリハで演奏がガタガタではガッカリですよね。ではどうしたらいいのでしょう?
それは、『目標を再設定する』ことです。みんなでいい演奏をしたいのなら、みんながいい演奏としてこなせる、達成できるような曲を選ぶべきでしょう。オリジナルなら簡単なアレンジに変えましょう。コピーでも、原曲を追いかけない方法も十分ありです。ボーカルが高すぎてまともに歌えないならキーを下げましょう。ドラムがテンポ早すぎて追いつけないなら、少し落ち着いた感じにテンポを落として演奏したほうがまとまるはずです。ベースも難しいラインを追いかけず、テンポをキープしてルートをしっかり鳴らしましょう。ギターやキーボードは、引き算のアレンジを。ちょっと足りないな、と思ったら足すくらいで十分です。
個々のスキルアップは、その個人にしかコントロールできないので、他人に期待するのはやめましょう。集まったメンバーで素敵な演奏ができるように、思考方法を変えてみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
バンドのミーティングも、wifiを使ってサクサク情報収集しながら効率的にやりましょう!
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